ハンガリー生活、はじめました
温泉のある生活
writer:本宮じゅん
日本でもテレビ番組などでよく紹介されているのでご存知の方も多いと思われるのだが、ハンガリーは温泉大国でもある。首都ブダペストだけでも五十以上の温泉施設があるとのことで、人々の生活の中にもしっかり根付いているだけでなく、観光客にも人気だ。
ローマ帝国時代のローマ式浴場に始まって、オスマン帝国支配下時代にはトルコ式が浸透し、歴史の流れとともに独自のスタイルが形成されてきたハンガリーの温泉は、日本のものとはだいぶ違う。ブダペストでの生活を始めた当初はその違いになかなか慣れることができなくて、日本の温泉が恋しくなったりもしたものだった。
水着をお忘れなく
浴槽の外の洗い場で体を洗ってから浴槽に浸かる、というスタイルにすっかり慣れきっていた私は、まずハンガリーのほとんどの温泉施設は男女混浴で水着着用が必須である、というルールに戸惑った。そう、まるで温水プールのようなのだ。そして更衣室も男女共用だったりするのだが、着替え用の個室キャビネットもあるのでそれはあまり気にならない。
水着に着替えた後は、一旦男女別のシャワールームに入って体を洗ってから、浴槽のある区画へと進む。ちなみに先日友人が訪れた温泉では、その日女性専用になっていて水着無しでも入浴できたらしい。私個人としてはその方がリラックスできそうなのだが。
ぬるめのお湯にゆったり浸かる
もう一つ私がなかなか慣れなかったのが、浴槽内の湯温だ。自宅ではいつも摂氏四十二度以上の熱いお湯に浸かっているのだが、ハンガリーの温泉施設では三十二~三十八度が平均的。湯温の違う浴槽がいくつかあって、交互に入ることで徐々に体を温めていくのだ。
最初その湯温の低さがあまりに物足りなくて、サウナ室に入って暖を取るようにしていた。だがそのうち、ぬるめのお湯の方が長い時間無理なく浸かれるので、体の芯からじっくり温められるというメリットに気づいてきた。
ところで、浴槽の中にはチェス盤を置いてあるところも多い。日本のテレビ番組でも「セーチェニ温泉」で浴槽に浸かりながらチェスに興じている人々がよく紹介されているのだが、残念ながら私自身はまだ実際にチェス盤が使われているところを見たことがない。いつか誰かと対戦することがあるかもしれないから、ちゃんとルールを学んでみようかな。
リラックスタイムはやっぱり温泉で
水着の着用が必須だし、湯温も低めなのだけど、それでも屋外にある浴槽の開放感はたまらない。天気の良い日は太陽の温かさと心地良い風を感じながら、たっぷりのお湯の中でいろんなことを考えたりする。ひと通り外の空気を満喫したら屋内に戻って、を何度も繰り返す。時間に余裕がある日はマッサージを受けたりする。そうして約半日かけてゆっくり日頃の疲れを癒していく。
これからだんだんと寒くなる季節、週末はなるべく温泉施設で過ごしたい。
温泉施設 HAGYMATIKUM
6900 Makó, Makovecz tér 6, Hungary
+36-62-511-220
営業時間:8:00~20:00(金・土は~0:00)
writer:本宮じゅん
2016年7月末にハンガリーのブダペストに移住したばかりの新米ライター。大学在学中に1年間ドイツのライプツィヒ大学に交換留学し、卒業後は外資系化粧品メーカー・広告代理店・外食産業と、業界が違いながらも通算14年近くマーケティング業務に携わった後、ハンガリーのブダペストへ。趣味は料理、街歩き、街歩きのついでに飲むビール。