ハンガリー生活、はじめました
イースターのある生活
writer: 本宮じゅん
ハンガリーでは今年2018年3月以降、既に二回も四連休に恵まれた。一回目は3月15日、「1848・1849年の革命記念日」の祝日から始まる四日間、そして二回目は3月31日、「聖大金曜日」の祝日から始まるイースター休暇の四日間だ。祝日の前日ともなると、建物やドナウ川に架かる橋などには国旗が掲げられ、街全体が祝福モードに包まれる。
イースター休暇は四日間
日本でもここ近年は、ハロウィンに続く季節イベントとして注目されているというイースター。日本語で「復活祭」と訳されるように、イエス・キリストが死後三日後に復活したことを祝う、キリスト教においてとても重要な祭である。
ハンガリー語では「フーシュヴェート(Húsvét)」といって、西方教会の伝統にならい、毎年、春分の日の後の初の満月の次の日曜日に設定される。つまり毎年変動するのだが、今年は4月1日の日曜日となった。そして、イースター前の金曜日である3月31日はイエス・キリストの受難と死を記念する「聖大金曜日」。ハンガリーでは2017年からこの祝日が休日に制定され、イースター翌日の月曜日までの四日間が休暇となった。
イースターの季節になると
「聖大金曜日」はハンガリー語では「ナジペーンテク(Nagypéntek)」。この日、カトリック教徒は教会の規定により食事制限が行われ、肉や卵や乳製品は摂取しない。カトリック教徒が約39パーセントを占めるハンガリーでも、この日は白身魚を食べる習慣があるそうだ。そしてイースター当日のディナーはとても重要で、メインの肉料理に、ポテトや野菜が添えられるという。そのほか、「フォスローシュ・フォノット・カラーチ(Foszlós fonott kalács)」という甘めの生地の編みパンやハム、ゆで卵、ホースラディッシュも定番メニューだ。
また、イースターが近づくと、スーパーの店内もさまざまなイースター関連商品で華やぐ。代表的なのは、ウサギやタマゴのチョコレート。メーカーごとに違うデザインとなっているので思わず集めたくなってしまう。また、装飾を施したイースター・エッグも欠かせない存在だ。我が家では去年友人にもらった手作りの木のイースター・エッグと、ウサギのエッグスタンドをテーブルに飾った。あまりに可愛らしいので、イースターが終わってからもそのまま片付けないままでいる。
イースター・エッグ作りに挑戦
イースター当日は各地でイベントが開催されていて、私も小さな子どもたちに混ざってイースター・エッグの体験イベントに参加してみた。タマゴの殻にロウで模様を付けて、タマネギの皮を煮詰めた鍋で茹でて赤い色を付ける。色が付いたら火で炙ってロウを落として完成。
伝統的な模様の見本を見ながら頑張ってみたのだが、なかなか残念な仕上がりになってしまった。色を着ける前の方がまだまともなので、その写真だけこちらにご紹介。次回はもっと上手にできるように、ちゃんと練習しないとね。
writer:本宮じゅん
2016年7月末にハンガリーのブダペストに移住したばかりの新米ライター。大学在学中に1年間ドイツのライプツィヒ大学に交換留学し、卒業後は外資系化粧品メーカー・広告代理店・外食産業と、業界が違いながらも通算14年近くマーケティング業務に携わった後、ハンガリーのブダペストへ。趣味は料理、街歩き、街歩きのついでに飲むビール。