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HAPPYさがしてヨーロッパ

春の日差しをさがして

2016.04.21
writer:Fumi

ヨーロッパの人は自然がごく身近にあることをよく感じる。「今週末は森へキノコを集めに行く」とか「ちょっと木の実を摘みに」など、すぐそこのコンビニへ行ってくるかのように言われるとびっくりするものだ。

森

まだ冬と春の間を行ったりきたりする4月、ドイツ語圏の人々は待ってましたとばかり森に繰り出しはじめる。大好きな散歩に行くだけではない、大きな理由がある。

ドイツ語ではBärlauch(ベアラオホ)、直訳して熊ネギ、ラムソンの収穫に行くのだ。味も香りもニラに限りなく近い、姿は薄くなったユーカリのような葉っぱだ。森へ入ると香りがしてくるので案外見つけやすい。しかし見つけやす過ぎるところのものは同行の犬が用を足していた恐れがあったりするので気をつけないといけない。 ラムソン

春の到来を待てず、雪の下で生えてくるものもあるくらい。ドイツ語圏、ドイツはもちろん、オーストリアやスイスでは春一番の味覚として有名であり、友達との会話でもスーパーの売り場でもラムソンでもちきりとなる。特に街のすぐ隣に森が茂っている自然に囲まれたオーストリアの首都ウィーンでは4月に入ると収穫を一緒に味わうためにお誘いの声が多くかかる。

こちらは、ラムソンをみじん切りにしてニョッキにしたもの。バターと一緒にミキサーにかけて手軽に作るラムソンバターなどは夏にBBQで焼いたステーキなんかに乗せるとたまらない。炒めていただいたり、リゾットに混ぜたり、使い道の幅はとても広い。私はニラが見つからなかった時に春巻きの具として代用したことがある。所変われば品変わる。

ラムソンのニョッキ

ラムソンの時期が終わると話題は白アスパラガスになり、イチゴになり、そのうちいっぱいの果物となり、人々はマーマレード作りに追われる日々となる。

カフェにいるドイツ人

3月の最終日曜日に夏時間に入った。夜中の2時に時計の針を1時間進めて夏の近づきを感じるこの日はたとえ睡眠時間が1時間削られても嬉しいものだ。だんだんと長くなってきた日照時間はこの日を境に夜8時まで確実に楽しめる。

ヨーロッパは寒い時期が断然長い。まだ冬のコートが手放せない4月の半ば、カフェのテラス席で毛布にくるまりながら日光を1時間でも多く吸収しようとするドイツ人の姿は雪に埋もれながらも生えてくるラムソンと重なる。

Fumi

writer:Fumi

ドイツ在住、Gourmieオーナー。10代の頃から、フランス、スイス、ドイツ、オーストリアなどヨーロッパ各地に住み、遊学。現在はベルリンを拠点に、ウィーンでスイーツやケーキ、デリなどのメニュー開発及びケータリングに携わる。趣味は、読書、美術鑑賞、食べること。

HP:Gourmie / Instagram: gourmiefumi

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