HAPPYさがしてヨーロッパ
スーパーフードをさがして
writer:Fumi
ここ数年ヨーロッパではいろんな意味で食意識がずいぶんと高まっている。ソーシャルネットのおかげで、『見てくれ』が『食べる』という行為における重要ポイントとなり、目を喜ばせることも食の第一要素である和食・和菓子が大いに注目されている。
ミレニアムを祝っていた頃は食べ物の写真など撮っていると「ほれ見ろ日本人は。あはは」と笑われていたものだ。今ではご馳走が冷めてしまわないかと心配になる程、みなさん撮影に必死だ。
日本代表スーパーフード:抹茶
もちろん食べ物は美しいだけではなく、もちろん美味しく、もちろん健康でないといけない。最近のブームといえばスーパーフード。体に何かしら特別な健康効果のある食べ物のことを指している。チアシードやらキヌアなどがそれである。
そこにちゃっかり仲間入りしているのが日本人にはお馴染みの抹茶だ。ちょっと前までは抹茶ラテなどを作っていると「そんな緑のものを飲むなんて!」と息を飲まれたが、今では『マッチャ』と言って通じない人なんて流行遅れとされてしまう。
抹茶をどういただく?
とはいえ天心の伝えた飲み方をするのではなく、やはり抹茶ラテから入る人が多い。「抹茶は日本人にとってエスプレッソみたいなものなんですよ」と説明すると、「ほぅ?!」と感嘆符つきで理解してもらえる。ウィーンでは抹茶カフェが大人気だったり、ベルリンにも緑茶専門カフェがある。
そして抹茶スイーツが大人気。抹茶アイスはよく見かけるようになったし、抹茶チーズケーキやら抹茶クッキーも小洒落たカフェでお目にかかれる。
最近「和のテイストで」と、ブランチなどのケータリング依頼が続いた。そこでも「是非抹茶を使って!」とリクエストが必ずあった。皆、目を輝かせながら緑緑した抹茶ブラウニーやら抹茶のエクレアなどを頬張っていた。目を引く緑のお菓子はソーシャルネットに載せると、いいね!率が高いため、写真撮影にも熱心な人が多かった。
vs 塩
オーガニックのスーパーマーケットには抹茶が法外な値段で売られているが、流行に敏感な人はとりあえず買ってみて「で、これどう使うの?」と聞いてくる。オーガニックだったり、ご当地産だったり、高いお金を払っても体に良いことがとにかく肝心。
とはいえ、ドイツ人は塩摂取がものすごい。味見もせずに塩をこれでもかというほどかけている人が目につく。さっきまで「オーガニックしか口にしない!」と威張っていた人が、お皿のオーガニックサラダに塩小さじ1杯フリフリしている。こんな調子なので外食すれば喉が渇いてしようがない。
スーパーフード、健康食ブームを機にそこも見直してくれると、和そのものの私の胃にも嬉しいのだが。
writer:Fumi
ドイツ在住、Gourmieオーナー。10代の頃から、フランス、スイス、ドイツ、オーストリアなどヨーロッパ各地に住み、遊学。現在はベルリンを拠点に、ウィーンでスイーツやケーキ、デリなどのメニュー開発及びケータリングに携わる。趣味は、読書、美術鑑賞、食べること。
HP:Gourmie / Instagram: gourmiefumi