HAPPYさがしてヨーロッパ
料理教室をさがして【夏の号外:パリ編】
writer:Fumi
お友達に近況を聞くとよく耳にするのが「最近こんなこと始めた!」そう、このところ『習い事』がブームだ。ヨガ、スポーツ一般、外国語、楽器、デッサン、カリグラフィー、テコンドー。挙げていくと各分野多方面いろいろ出てくる。
その中でも一見さん歓迎で、継続熱を必須としないのが料理教室。時間のない現代人にピッタリで今とりわけ人気を博している。そんな料理教室事情をリポートするのが今回の夏の号外。
最近夏の大セール目当てに行ったパリで覗いた料理教室。パリのマダム達行きつけのちょっと高級デパート、ル・ボン・マルシェが提供している料理教室。参加できる倍率と言ったら東の東大、西の宝塚、パリのボン・マルシェと言っていいだろう。定員はなんとたったの四人。それなのに二度も参加できた私は幸運をこういうところで使い果たしているに違いない。
料理教室の概要
参加費:30ユーロ(円高の今なら3000円ちょい)
顔ぶれ:パリの住民
テーマ:お魚
時間:3時間
この日のラッキーな参加者はシェフの兄弟のお友達、パリの素敵マダム、ワイン通のムッシューと私。先生であるシェフは陽気で女性に優しい典型的なフランス男子。腹が減っては戦が出来ぬのでまずオードブルが配られて始まりとなった。大きな魚のフィレが登場し、さばき方を実演して、いざ実習となる。
みじん切りの指令を受けたのでネギやらトマトやらを細かーく刻んでいるとシェフが飛んできて「君にはすぐにここで働いてもらいたい!」と言われた。一応料理で食べている身としては嬉しい褒め言葉だ。ヨーロッパ人はこういった細かい作業が苦手なので日本人の手先の器用さはよく感激される。
和気藹々、冗談交じりで楽しい料理教室は手を動かすのを忘れてしまいそうだが、先生の手さばきを見ている他にも意外にするべきことが多く、なかなか忙しい。
最後は美味しそうに見える盛り付けのポイントも習って、いざ試食。ワインも赤白ロゼと振る舞われおしゃべりの止まらない一時間が過ぎていく。気付けばシェフのアシスタントが厨房もピカピカに清掃してくれていた。
「またいつかどこかで会いましょうね!」と料理教室で芽生えた新しい出会いに別れを告げ家路についた。また参加できるといいのだが、幸運を祈って。
writer:Fumi
ドイツ在住、Gourmieオーナー。10代の頃から、フランス、スイス、ドイツ、オーストリアなどヨーロッパ各地に住み、遊学。現在はベルリンとウィーンを拠点に、スイーツやデリなどのメニュー開発及びケータリングに携わる。2013年から始めた日本文化を気軽に楽しむことができるお料理教室は、ベルリンやウィーンで人気に。趣味は、読書、美術鑑賞、食べること。
HP:Gourmie / Instagram: gourmiefumi