HAPPYさがしてヨーロッパ
ドイツグルメをさがして 【飲み物の巻】
writer:Fumi
ドイツ人が好きな飲み物はなんでしょう。「それは間違いなくビール!」と思っているそこのあなた。イタリア人が小粋にエスプレッソをすする横で、大柄なドイツ人が大きなビールジョッキを握りしめている様子は想像にたやすいのでは。
さて驚いていただきましょう。ドイツ人はコーヒーが大好き。2015年、ドイツ人はイタリア人よりもコーヒーを消費していた、という統計がある。一年で一人あたり平均で675杯だそう。
ちなみにトップはフィンランドを筆頭に、北欧の国々が名を連ねる。寒くて暗い国、コーヒーマグで手を温めながら、カフェインで気合いを入れているのだろう。
オフィスでも午前中は、キッチンに人が絶え間なくコーヒーを求めてやってくる。朝の10時にコーヒーマシーンが『清浄中』などとなっていると、この世の終わりのような形相で発狂する人もいる。
エスプレッソを好む人もいれば、アメリカーノというお湯で薄めたものもある。アメリカのドラマでみんなが飲んでいるあれだ。エスプレッソは強いコーヒーのイメージがあるが、カフェインの量はフィルターを通して淹れたものよりずっと少ない。
ランチが済むと食後のコーヒー。ここではデザートと合わせてカプチーノなどが好まれる。午後になるともうひと頑張りに飲まれるコーヒー。夜になるとカフェインで眠れなくなるといった問題もあるので、カフェインレスのコーヒーが飲まれる。というわけで本当に一日中飲んでいる人もいる。
ベルリンにはカフェがいっぱい。カフェだらけ。イタリアやフランスのようにエスプレッソを一杯ひっかけて立ち去るのではなく、何時間も居座るのがドイツ流。コーヒーの種類もやたらと多い。
ちょっと前まではラテ・マッキアートという泡立ったミルクがたっぷり入ったコーヒーを飲む、というのが裕福層であるママの目印になっていたほどだ。最近はバリスタの淹れてくれる酸味の強いコーヒーを飲むのがかっこいい。
ウィーンには老舗のカフェハウスがいっぱい。老若男女が集う憩いの場所だ。新聞を読んだり、お友達と待ち合わせ、勉強したり、ミーティングだったり。
健康志向ブームの影響でラテも豆乳はもちろんのこと、ヘーゼルナッツ、アーモンドミルクや、ライスミルク、オーツミルクなどから選べる。コーヒーが苦手だった私も、ドイツで飲んでみたラテが美味しくてコーヒー好きになった一人である。
ついに今週雪の予報が出たドイツ。コーヒーと暖を求めてカフェが混み合う週末になることは間違いないだろう。
writer:Fumi
ドイツ在住、Gourmieオーナー。10代の頃から、フランス、スイス、ドイツ、オーストリアなどヨーロッパ各地に住み、遊学。現在はベルリンとウィーンを拠点に、スイーツやデリなどのメニュー開発及びケータリングに携わる。2013年から始めた日本文化を気軽に楽しむことができるお料理教室は、ベルリンやウィーンで人気に。趣味は、読書、美術鑑賞、食べること。
HP:Gourmie / Instagram: gourmiefumi