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HAPPYさがしてヨーロッパ

快適な睡眠をさがして

2017.02.23
writer:Fumi

眠りというのは衣食住と並んで大事な生活の一部である。睡眠時間の長さに違いはあっても、良質な眠り、というのは健康に不可欠だ。私は状況を選ばずよく眠れる幸せな人間だが、暑さと寒さには敏感で、ここ数日襲ってきた寒波には、ちょっとやそっとのことでは目を覚まさない私の深い眠りを大いに乱された。

そこで見直しをすることにしたのが掛け布団。羽毛がいっぱい入っていて、極暖なのに軽い布団、一年中使えるものでなく冬専用の、二人用のものが欲しい。求める物のイメージがかなり固まっていたので、感触のよい品物があればあとはサイズを選ぶだけ。簡単簡単と思っていた。 ドイツの羽毛布団

が、ここで問題が発生。求めている二人用の掛け布団らしきものが見つからない。縦幅200センチはクリアしても横幅200センチ以上がなく、140センチを前後するものばかり。このサイズでは一人がくるまったらもう一人は凍えてしまう。「なぜ?」フロア担当の人に尋ねてみると「二人で一緒にくるまるような掛け布団の需要がない」とのこと。ドイツ人といえばやはり堅実で個人主義的な面があるが、それが掛け布団に思い切り反映している。

確かにドイツのホテルでは二人部屋を頼むと、いわゆるツイン部屋が多い。別々の長細いベッドが寄り添って並んでいればよい方で、ベッドデスクで仕切られていたりもする。

このベッドとベッドの間の溝がやけに深く思える
このベッドとベッドの間の溝がやけに深く思える
ダブルベッドはこうであってほしいダブルベッドはこうであってほしい

最近パリへ行く機会があったので、寝具コーナーもついでに見てみると、キングサイズベッド対応の2メートル以上の掛け布団が並んでいるではないか。

二人であれば2メートル以上は当然!と思っているフランス人
「二人であれば2メートル以上は当然!」と思っているフランス人

キングサイズのベッドごとくるまってしまいそうなサイズだ。愛を語るのに別々の掛け布団ではムードがなさすぎるのか、ここフランスではロマンチックなお国柄が見事に反映されている。ドイツのデパートでは殺風景な寝具売り場だったが、フランスでは質から色から選び放題の充実した選択肢がフロア一面に美しく広がっていた。 ドイツのバレンタイン

そういえばバレンタインデーも、何事もなかったかのように過ぎて行ったのは、寒さのせいだけではないだろう。ウィーンからベルリンに戻る飛行機でハート型のチョコをもらって思い出した。

Fumi

writer:Fumi

ドイツ在住、Gourmieオーナー。10代の頃から、フランス、スイス、ドイツ、オーストリアなどヨーロッパ各地に住み、遊学。現在はベルリンを拠点に、スイーツやデリなどのメニュー開発及びケータリングに携わる。2013年から始めた日本文化を気軽に楽しむことができるお料理教室は、ベルリンやウィーンで人気に。趣味は、読書、美術鑑賞、食べること。

HP:Gourmie / Instagram: gourmiefumi

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