名称:オレンジスイート orange sweet
和名:アマダイダイ
学名:citrus sinensis
科名:ミカン科
抽出部位:果皮
抽出方法:圧搾法
主要成分:リモネン、リナロール、シトラール
香りの度合い:中〜強
「オレンジの香り」といえば、誰でも思い出すことができる香りの一つではないでしょうか。なじみのある香りなので、アロマテラピーを初めて取り入れる方にもおすすめの精油です。オレンジの甘酸っぱいフレッシュな香りを嗅ぐと、リラックスして緊張がほぐれていきます。また、食欲もわいてくることでしょう。
中世ヨーロッパでは、下水施設が整っておらず入浴の習慣もなかったことから、匂い袋や「ポマンダー」と呼ばれる匂い玉を持ち歩いたり飾ったりする習慣がありました。病気は悪魔がもたらすと信じられていたこの頃、ポマンダーには厄除けの意味もありました。殺菌効果のあるオレンジポマンダーを飾ることによって、経験的に厄(病気)を予防していたことは注目に値します。今でもヨーロッパなどでは、クリスマスの時期にオレンジにクローブを刺してオレンジポマンダーを作り、香りを楽しむ習慣が残っています。
オレンジの精油は、オレンジの皮をローラーなどでつぶす「圧搾法」という方法で採取します。こうすることで自然のままの香りを採ることができます。一方、ワックスや皮などが混入してしまうため、精油が傷みやすいという欠点があります。圧搾法で抽出された精油は、開封後6か月以内に使用するのがおすすめです。
最近では珍しいですが、「超臨界流体抽出法」という新しい方法で抽出されることもあります。常温では気体ですが圧力をかけると液体になる溶剤を使い、気体と液体の間である超臨界状態で精油の香りを吸着させ、再度気体に戻して精油の香りを採るという方法です。圧搾法に比べて不純物がなく、成分がほぼすべて抽出されるので、とてもフレッシュで純度の高い香りになります。超臨界流体抽出法で抽出したオレンジの精油を嗅いだことがありますが、圧搾法に比べると、すっきりと軽く爽やかな香りでした。
オレンジには、「スイートオレンジ」だけでなく、「ビターオレンジ(和名:ダイダイ)」もあります。名前の通り、スイートオレンジよりも少し苦味のある香りが特徴です。ビターオレンジの花から採取される精油は「ネロリ」、葉から採取される精油は「プチグレン」です。同じ植物から採れる精油でも、部位によって香りが全く異なります。
精油に含まれる成分には、ほぼすべてに「モノテルペン炭化水素類」という殺菌作用のある物質が含まれていることがわかっています。植物はこの成分によって、我が身を守っているともいえます。
オレンジの精油は、「リモネン」と言われるモノテルペン炭化水素類の一種である成分が85〜90%含まれています。リモネンの殺菌作用により、ウイルスや炎症を抑えたり、空気を浄化する作用が期待できます。また、血行を促進する作用もあることから、身体のすみずみまで血液を流して、手足の冷えを防いだり、消化を促進したり、毛根を活性化させたり、肌の乾燥や老化を防ぎます。
次に多く含まれているものは、「リナロール」という鎮静作用に優れた成分です。ヨーロッパでは10世紀頃、癇癪発作、うつ、心臓疾患、神経疾患などの患者にオレンジが用いられた記述があります。リナロールの不安定な心を落ち着かせる効果は、経験的に知られていたようです。