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愛用品カタログ

日本画の顔料で作った胡粉ネイル

2018.03.30
writer: AYAMI
胡粉ネイル

三月とは思えないような暑い日が続いている。寒かった日々はすっかり忘れ、もう気分も服も春仕様になっている方も多いのではないだろうか。服が薄くなると手足を出す機会も増え、明るい色のネイルを塗りたくなる。

ネイルサロンで手入れをしてもらうのもリフレッシュになるが、最近は自分でパパっと塗るネイルが手間や時間を考えるとちょうど良い。お店に行くと様々な種類のネイルが売っているが、ここ数年のお気に入りは、日本画や日本人形の顔料で作った京都の老舗メーカー、上羽絵惣の『胡粉(ごふん)ネイル』だ。胡粉とは貝殻で作る絵の具のこと。ハマグリ、カキ、ホタテなど、我々が普段美味しく戴いている貝殻から作られており、これらを乾燥させて粉にして、顔料に加工するという。

日本画を見ると、金銀朱色、その鮮やかさに感動する。胡粉ネイルも、鮮やかに発色する。キラキラしたものやパール感のあるものまで、質感もバリエーション豊か。しかも一度でしっかりと着色するので、何度も重ね塗りする必要がない。ネイルにかける時間の短縮になるので、忙しい人にはぴったりだ。

しかも絵の具なので、ネイル特有のツンとした臭いがない。ネイルを塗ると部屋中の換気が必要になるが、胡粉ネイルは無臭なので、場所を選ばず塗ることができる。その昔、実家のダイニングでネイルをしていたら、もう夕食なのに臭い臭いとクレームが出たが、このネイルならそんなクレームに遭わなくても済みそうだ。

すぐに乾くことも魅力である。普通のネイルだと、塗っている途中で他の指に触れてしまい、予想外の柄が入ってしまったなんてこともあると思う。胡粉ネイルはあっという間に乾く。その上にネイルアートを重ねる場合も、従来のネイルに比べたらすぐに取り掛かることができる。

胡粉ネイルは塗っていないように軽い。ネイルを塗ると0.1gくらいかもしれないが、重さを感じる。キラキラ女子のネイルアートなんて、一指1gくらいあるのではないかと思ってしまう。胡粉ネイルは水分が多く含まれている。そのために、ネイルを塗っているベトっとした重たい感じがしない。通気性もあるというので、爪にも優しいのが特徴だ。

日本画を見ると、何百年も前の顔料がしっかり残っていることがある。胡粉ネイルもよっぽど強い摩擦などがかからない限り、色褪せずほとんど落ちない。胡粉ネイルは塗ると、フィルムのようになる。海に行ったり家事をしているうちにちょっとずつ色褪せていくのが普通のネイルの宿命だが、胡粉ネイルはこのフィルムのような質感のおかげで、何日経っても色が変わらないのだ。

じゃあ落とすの大変そうだよね、と言われそうだが、落とすのも実に簡単。フィルムの端の方を爪でめくると、シールのようにツルツルきれいに剥がれていく。除光液も必要ないし、除光液による爪の変色もない。このシールのように剥がれる性質は、うっかり者の私には大変良い。ネイルを剥がすのを忘れて真面目な会議にポップな爪で行ってしまった時など、その場で爪でこっそり剥がすことができるのだ。きちんと剥がしたい派さんのために、メーカーから専用のアルコールベースの除光液も売られているし、市販の消毒用アルコールで剥がすこともできる。これらも使ってみたが、爪が変色することなく優しい使い心地だった。

何年か前、店頭で見つけた時はまだ数色だった胡粉ネイル。毎年色のバリエーションが増え、新色を探しに行くのも夏前の恒例行事となっている。色の名前も「藍」、「雲母(うんも)」、「艶紅(つやべに)」など和風の素敵な響きだ。限定色が発売される時期なので、今年もどんな色に出会えるか楽しみでならない。

writer:AYAMI

アロマティシアのオーナー。『香りと暮らし研究家』として活動。2011年より『アロマティシア』を立ち上げ、香りや自然を取り入れた暮らし方について伝える講座や活動をしている。趣味はキャンプで、週末は森の中で過ごすことが多い。

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