愛用品カタログ
愛用品カタログ
石鹸の製造販売を始めたきっかけは、「なぜこんなに良いものを使わなくなってしまったのだろう」と思ったこと。古き良き時代からある良質なものの中から オーナーお気に入りの品々をご紹介します。
2018.03.30 日本画の顔料で作った胡粉ネイルを気に入っている。発色鮮やかで、刺激臭がせず、すぐに乾いて、塗っていないように軽く、色褪せずほとんど落ちないのに、落とすが簡単。爪に優しい胡粉ネイルをご紹介します。
2018.01.24 洋服の防虫剤には色々な物があるが私はお香でできた防虫香を愛用している。防虫香を衣装ケースに詰めるとクローゼット全体が柔らかな天然の香りで包まれる。源氏物語にも登場する防虫香の魅力についてご紹介します。
2017.06.28 私は一つの液体せっけんで手と食器と洋服とお風呂を洗う。おすすめはシャボン玉EM液体洗濯せっけんで、アロマオイルとグリセリンを加え色々な用途に使っている。液体せっけんの便利な使い方についてご紹介します。
2017.03.10 過炭酸ナトリウムは色柄物の漂白剤として出回っているが、漂白だけでなく除菌や消臭にも使うことができ、掃除用洗剤として家中で大活躍する。風呂場、台所、洗濯など、様々な場面での活用方法についてご紹介します。
2017.02.08 香りにまつわる権力者のエピソードは尽きない。権力者たちの愛した香りの中で、ナポレオンの愛した香水は今も4711という商品名で販売されている。世界で最初のオーデコロン4711の壮大な物語をご紹介します。
2016.05.25 近年のナチュラル回帰で蚊取り線香が見直されている。特に天然の除虫菊でできた蚊取り線香は、化学成分を嫌う人たちや、アレルギー体質の人たちに愛用されている。蚊取り線香の魅力についてご紹介します。
2016.03.23 土鍋でご飯を炊くと、炊飯器より早く簡単にでき、美味しく仕上がる。「なぜこんなに良いものを使わなくなってしまったのだろうランキング」があるなら、躊躇なく1位に推したい土鍋ご飯の魅力についてご紹介します。
2016.02.17 シルクのマスクは、呼吸が楽にでき、肌にも優しく静電気も起きにくい。衛生的に保つことができ、保湿性や紫外線カット効果もある。木綿や使い捨てマスクにはない快適な花粉症ライフをご紹介します。
2016.01.21 石油ストーブに買い替えてから、足元が暖まり、手荒れと喉のイガイガがなくなり、煮込み料理が上手にできるようになり、読書が進み、心が落ち着くようになった。良いこと尽くめの石油ストーブの魅力についてご紹介します。
2015.02.20 最初は冷え性対策にと思って始めたお灸。今では夜寝る前の入眠儀式に、疲れた時のリラックスにと、とにかく色々な場面で楽しんでいる。アロマの香りのするお灸などをご紹介します。
2015.02.10 手荒れに悩まされる毎日におすすめのシルクのおやすみ手袋。汗が蒸発しやすいので手が火照ることもないし、シルクの成分は刺激になりにくく、保湿効果も期待できる。綿の手袋で治らなかった人に必見です。
2015.02.05 湯たんぽが寒い冬には大活躍する。エアコンと違って電気代もかからないことや空気が乾燥しないこと、電気毛布と違ってほんわか芯から温まること、持ち運びの便利さや、身体中どこにでも当てられる汎用性が最大の魅力。
re-edit 2015.02.02 シュロのほうきを物産展で購入した。ほうきは電気を使わず音もしないので、節電効果抜群だし夜中でも気にせずお掃除できる。部屋の角にたまったほこりを見つけた時、ほうきが1本あればその場ですぐに取り除くことができる。ほうき職人からいろいろな話を聞いて、納得のお買い物。
re-edit 2015.02.01 物産展で南部鉄器を購入した。鉄分が水に溶けだすこと、水がおいしくなること、お手入れが簡単なことなどを職人さんから聞いていたら、想定していた値段より高いものを購入してしまったが、お値段以上の値打ちを見出している。
日本画の顔料で作った胡粉ネイル
防虫香
液体せっけん
過炭酸ナトリウム
ナポレオンの愛したオーデコロン『4711』
蚊取り線香
土鍋ご飯
シルクのマスク
石油ストーブ
心も身体もリラックス!自宅でお灸
手荒れバイバイ!シルクのおやすみ手袋
冷え症にぴったり!エコで持ち運びも便利な湯たんぽ
お掃除がもっと楽しくなる!シュロのほうき
水のおいしさ再発見!南部鉄器
writer:AYAMI
アロマティシアのオーナー。『香りと暮らし研究家』として活動。2011年より『アロマティシア』を立ち上げ、香りや自然を取り入れた暮らし方について伝える講座や活動をしている。趣味はキャンプで、週末は森の中で過ごすことが多い。
日本画の顔料で作った胡粉ネイル
writer: AYAMI
三月とは思えないような暑い日が続いている。寒かった日々はすっかり忘れ、もう気分も服も春仕様になっている方も多いのではないだろうか。服が薄くなると手足を出す機会も増え、明るい色のネイルを塗りたくなる。
ネイルサロンで手入れをしてもらうのもリフレッシュになるが、最近は自分でパパっと塗るネイルが手間や時間を考えるとちょうど良い。お店に行くと様々な種類のネイルが売っているが、ここ数年のお気に入りは、日本画や日本人形の顔料で作った京都の老舗メーカー、上羽絵惣の『胡粉(ごふん)ネイル』だ。胡粉とは貝殻で作る絵の具のこと。ハマグリ、カキ、ホタテなど、我々が普段美味しく戴いている貝殻から作られており、これらを乾燥させて粉にして、顔料に加工するという。
日本画を見ると、金銀朱色、その鮮やかさに感動する。胡粉ネイルも、鮮やかに発色する。キラキラしたものやパール感のあるものまで、質感もバリエーション豊か。しかも一度でしっかりと着色するので、何度も重ね塗りする必要がない。ネイルにかける時間の短縮になるので、忙しい人にはぴったりだ。
しかも絵の具なので、ネイル特有のツンとした臭いがない。ネイルを塗ると部屋中の換気が必要になるが、胡粉ネイルは無臭なので、場所を選ばず塗ることができる。その昔、実家のダイニングでネイルをしていたら、もう夕食なのに臭い臭いとクレームが出たが、このネイルならそんなクレームに遭わなくても済みそうだ。
すぐに乾くことも魅力である。普通のネイルだと、塗っている途中で他の指に触れてしまい、予想外の柄が入ってしまったなんてこともあると思う。胡粉ネイルはあっという間に乾く。その上にネイルアートを重ねる場合も、従来のネイルに比べたらすぐに取り掛かることができる。
胡粉ネイルは塗っていないように軽い。ネイルを塗ると0.1gくらいかもしれないが、重さを感じる。キラキラ女子のネイルアートなんて、一指1gくらいあるのではないかと思ってしまう。胡粉ネイルは水分が多く含まれている。そのために、ネイルを塗っているベトっとした重たい感じがしない。通気性もあるというので、爪にも優しいのが特徴だ。
日本画を見ると、何百年も前の顔料がしっかり残っていることがある。胡粉ネイルもよっぽど強い摩擦などがかからない限り、色褪せずほとんど落ちない。胡粉ネイルは塗ると、フィルムのようになる。海に行ったり家事をしているうちにちょっとずつ色褪せていくのが普通のネイルの宿命だが、胡粉ネイルはこのフィルムのような質感のおかげで、何日経っても色が変わらないのだ。
じゃあ落とすの大変そうだよね、と言われそうだが、落とすのも実に簡単。フィルムの端の方を爪でめくると、シールのようにツルツルきれいに剥がれていく。除光液も必要ないし、除光液による爪の変色もない。このシールのように剥がれる性質は、うっかり者の私には大変良い。ネイルを剥がすのを忘れて真面目な会議にポップな爪で行ってしまった時など、その場で爪でこっそり剥がすことができるのだ。きちんと剥がしたい派さんのために、メーカーから専用のアルコールベースの除光液も売られているし、市販の消毒用アルコールで剥がすこともできる。これらも使ってみたが、爪が変色することなく優しい使い心地だった。
何年か前、店頭で見つけた時はまだ数色だった胡粉ネイル。毎年色のバリエーションが増え、新色を探しに行くのも夏前の恒例行事となっている。色の名前も「藍」、「雲母(うんも)」、「艶紅(つやべに)」など和風の素敵な響きだ。限定色が発売される時期なので、今年もどんな色に出会えるか楽しみでならない。
writer:AYAMI
アロマティシアのオーナー。『香りと暮らし研究家』として活動。2011年より『アロマティシア』を立ち上げ、香りや自然を取り入れた暮らし方について伝える講座や活動をしている。趣味はキャンプで、週末は森の中で過ごすことが多い。
防虫香
writer: AYAMI
師走の忙しい時期、私は毎年お香を買いに走る。新年に焚くお香と、衣装ケースに入れる防虫香を求めて。愛用しているお香のお店は、京都が本店の松栄堂。私が住んでいる東京にも何店舗かあり、訪ねるといつもそこが都心の真ん中であることを忘れさせてくれる、心落ち着く香りが漂っている。
洋服の防虫剤といえば、ドラッグストアで買うのが定番だろう。そこにはいわゆるおばあちゃんの洋服箪笥のような懐かしい香りのものから、無臭のもの、一年効果が持つもの、防湿もしてくれるものまで、幅広い種類がある。最近は天然のハーブを使った防虫剤なども店頭で見かけるようになった。近年ではこのように色々な選択肢があるのだが、私はお香の香りがする防虫香が一番好きなので愛用している。
着物を着ている人がそばにいると、ほんのりお香が漂っているような香りがすることがある。市販の防虫剤よりもツンとせず甘い香りで、香水よりも柔らかい香り。体に塗る粉のお香「塗香(ずこう)」をつけている場合もあるが、お香の原料である香木で作られた極上の防虫香を使っている可能性が高いだろう。
私が愛用しているのは、松栄堂の「上品 防虫香」。虫が嫌いな匂いである白檀(サンダルウッド)、丁子(クローブ)、桂皮(シナモン)、竜脳(ボルネオール)を配合している。アロマテラピーでも使われている天然の香料で作られているので、虫にとっては逃げたくなる香りも、私たち人間にとっては非常に良い香りに感じるのだ。防虫香を衣装ケースに一つずつ詰めていくと、ウォークインクローゼット全体が柔らかな香りで包まれる。この香りは徐々に薄れていくが、約半年間持続する。六月になったら新しい防虫香に変え、さらに夏に備えて防湿剤をセットする。新年と夏前の防虫香の交換が、我が家の恒例行事となっている。
防虫香と源氏物語
防虫香が日本で使われるようになった背景には、一部の香木に防虫効果があることが経験的に知られていたからではあるが、我が国独特の理由もありそうだ。洗濯が容易でない着物を着用していた貴族たちは、着物にお香の香りを移して服についた臭いや自身の体臭を取り除く必要があった。また、高温多湿の気候ゆえに、アロマオイルのようなベトベトした油状のものよりも、さらりとした粉末で乾いた香りのお香が好まれたのだろう。
実際、源氏物語(a)を読むと、平安時代の貴族たちがどのようにして着物に香りをつけていたかがわかる。その一つに、香唐櫃(こうからびつ)と呼ばれる木製の箪笥のような箱の中に、香木をブレンドした匂い袋を入れて衣類をしまっておく方法がある(b)。これは「衣被香(えびこう)」と呼ばれ、現代でも時々「えび香」という匂い袋が売られているのを見る。「えび」という表記から「海老」を想像していた私は、「衣被」という漢字を見て初めて納得した。
松栄堂でも「源氏かおり抄 末摘花丹生の花」という衣被香が売っている。末摘花(すえつむはな)とは源氏物語に出てくる女性で、たいそう不器量だとか顔が長いとか赤っ鼻だとかひどい言われよう。しかも没落貴族であるため、周囲の人々からひどい仕打ちを受けていた。しかし光源氏と会う機会があり、ずっと香唐櫃に入れてあった新調の十二単を持ち出して着用したことからチャンスが訪れる。いかにも没落した家に住み、不器量な女性ではあるが、着物の香りから宮家の格式が漂っていることを察した光源氏。ギャップにグッときた彼は、末摘花を以後寵愛することとなる。ちなみにこの松栄堂の匂い袋の色が真っ赤だったことが、私にはグっときた。
着物の香りづけといえば、「衣香(えこう)」という方法もある(b)。お香を焚いた上に籠をかけ、その上に着物をつるして香りで燻す。「衣被香」もそうだが、どのような香木をブレンドするかは、それぞれの家の秘伝であり、高価な香木が手に入る家ほど良い香りを漂わすことができる。光源氏は超イケメンだっただけでなく、高貴な生まれゆえに超良い香りがしたと描写されている。闇にまみれて意中の藤壺(ふじつぼ)という女性の元に忍び込んだ際、正体を明かさずに出て行ったにも関わらず、その香りで光源氏であることがバレバレだったそうな。
余談だが、衣香という方法は現代でも結構役に立つ。ワンピースやコートなど、頻繁に洗濯できないものに臭いがついてしまったら、パンパンと軽く叩いてからハンガーにかけ、近くでお香をたくと(衣類に燃え移らない距離で)、嫌な臭いがなくなってほんのりお香の香りがつく。昨晩、友人たちと食事を楽しんで帰宅したら、一瞬にして焼肉だとバレてしまった私。年末に買った防虫香とお香で衣香して、焼肉の香りを高貴な香りに変えようと奮闘している。
参考文献
- 紫式部、瀬戸内寂聴 翻訳(2007)『源氏物語』 講談社文庫
- 尾崎左永子(2013)『平安時代の薫香―香り文化の源流を王朝に求めて』 フレグランスジャーナル社
writer:AYAMI
アロマティシアのオーナー。『香りと暮らし研究家』として活動。2011年より『アロマティシア』を立ち上げ、香りや自然を取り入れた暮らし方について伝える講座や活動をしている。趣味はキャンプで、週末は森の中で過ごすことが多い。
液体せっけん
writer:AYAMI
昔、ドラッグストアで化粧品の成分を見ていた時に、化粧水も美容液も成分がちょっとしか変わらないのを発見した。あれれと思って、ハンドソープとボディーソープも見てみたが、これもちょっとしか変わらない。お風呂用洗剤もトイレ用洗剤も、台所用漂白剤も洋服用漂白剤も、色々な商品を見比べたが、成分はさほど変わらない。パッケージの魔法で、用途別に商品を買っていたことに気づいた瞬間だった。
それから私は、一つの固形せっけんでメイクを落として顔と身体と髪の毛を洗い、一つの液体せっけんで手と食器と洋服とお風呂を洗うようになった。それ以来、常備するものが少なくなり、好きな容器に詰め替えることができるので、この生活がとても快適だ。
固形せっけんは、メイク落としや髪の毛に使っても良いように、自分で洗浄力を調整したり、美容液成分を入れて自作した。それが後々、このアロマティシアになった。液体せっけんは、なぜ自作しなかったのか今となっては不思議だが、「シャボン玉EM液体洗濯せっけん」に出会ってしまったからだろうか。これを透明なディスペンサーに小分けして、ずっと愛用している。
シャボン玉EM液体洗濯せっけん
シャボン玉EM液体せっけんのシリーズには、シャンプー、ボディーソープ、ハンドソープ、フェイシャルソープ、洗濯せっけん、食器洗いせっけんがある。しかし気づいてしまったのだが、表示成分はせっけん成分の配合量が違うだけ。ただ、せっけんを作るために使うオイルは、ツバキオイルやオリーブオイルなど、用途に合わせて泡立ちや洗浄力、保湿力を考えて最適なものを使用しているという。
できればボディーソープなど、身体への使用にお墨付きがあるものを様々な用途に流用する方が気持ちとしては安心感があるかもしれない。しかし、コストパフォーマンスの良い五リットルの業務用ボトルがあるのはシャボン玉EM液体せっけんシリーズの中でも洗濯せっけんだけ。ということで、洗濯せっけんで顔からお風呂まで洗う日々が始まった。
シャボン玉EM液体洗濯せっけんはそのままでも使うことができるが、アレンジして使っている。一つ目のアレンジは、用途別に好きな天然のアロマオイルで香りをつけること。食器洗いにはレモンやミントでフレッシュな香りに、ハンドソープはラベンダー、ボディーソープはジャスミン・・・・・・。季節や気分に応じて香りを考えることはとても楽しく、以前なら面倒くさいと思っていた食器洗いも好きな香りでテンションが上がる。
ただ、洗濯用には香りをつけないようにしている。我が家は洗濯の後に必ず乾燥機をかけるので、高熱で香りが飛んでしまうし、何よりアロマオイルは揮発性なので成分が残っていたら火災の危険性がある。良い香りの洗濯洗剤がたくさん出ている今、香りのないもので洗うなんて寂しい気がするかもしれない。しかし、無香料のせっけんで洗った後に乾燥機をかけると、なんだか外で干したような「おひさまの香り」がするのだ。乾燥機の扉を開けて、まだ温かな洗濯物の香りを胸いっぱいに吸い込むと、日光浴をした気分になってくる。
二つ目のアレンジは、身体用のせっけんには、薬局で売っているグリセリンを5~10%ほど加えること。グリセリンはねっとりとした無色透明の液体で、水分を引き寄せる性質を持つことから、化粧品の保湿剤として使われている。また、甘みを持つことから、歯磨き粉の湿潤剤としても配合されている。さらに、浣腸の主成分という意外な使い方もある。想像がつかなくなってきたかもしれないが、とにかくそんなグリセリンを液体せっけんに混ぜると、肌に優しいせっけんになるのだ。特に肌荒れが気になる季節、少し多めのグリセリンを入れたハンドソープは、まるで手に美容液を塗ったかのようにしっとりとする。
ところで、シャボン玉EM液体せっけんの「EM」とは何だろうか。ちょっと近未来を予想させるような「EM」という文字がずっとずっと気になっていた。EMとはEffective Microorganisms、つまり有用微生物群のことらしい。簡単に言えば、乳酸菌や酵母など善玉菌の集まりで、このEMが混ざった液体を流すことによって、排水管や河川が洗浄されるという。
確かに、合成洗剤で洗濯するとすぐに詰まってしまう我が家の洗濯機の排水口だが、シャボン玉EM液体洗濯せっけんを使うと詰まりにくくなった。最近、洗濯槽クリーナーをしても何の汚れも浮いてこなくて達成感に欠けるのも、EMのおかげかもしれない。そういえば手荒れに悩む母が、各社から発売されているせっけんのハンドソープをあれでもないこれでもないと試しているうちに六個も洗面台に並んでしまったのだが、彼女のお気に入りもシャボン玉EMハンドソープだった。シャボン玉石けんから発売されている、EMが入っていないタイプのハンドソープも試したが、「このEMってやつが一番しっとりした」という。
ちなみに、前回ご紹介した過炭酸ナトリウムとシャボン玉EM液体洗濯せっけんは相性が良い。洗濯の際に、シャボン玉EM液体洗濯せっけんを入れて、さらに過炭酸ナトリウムを大さじ一杯入れると、洗浄力が強くなる。洗濯ネットに白いスニーカーを入れ、この方法で洗ったら、新品のような真っ白なスニーカーになって戻って来た。
過炭酸ナトリウムのコラムでは、一つで色々な洗剤の代わりとなりボトルが片付いた話をしたが、シャボン玉EM液体洗濯せっけんのおかげでさらにボトルが片付いた。香りづけに夢中になり、アロマオイルのボトルは増えてしまったが、こちらは小さいものなので目をつぶりたいと思う。
writer:AYAMI
アロマティシアのオーナー。『香りと暮らし研究家』として活動。2011年より『アロマティシア』を立ち上げ、香りや自然を取り入れた暮らし方について伝える講座や活動をしている。趣味はキャンプで、週末は森の中で過ごすことが多い。
過炭酸ナトリウム
writer:AYAMI
世の中には数々の掃除用洗剤が出回っている。トイレ用、お風呂用、キッチン用、排水口に窓用に玄関用まで・・・・・・数え上げればきりがない。洗剤置場はいつもたくさんのボトルが占領し、キッチンを掃除したいのにお目当ての洗剤が見つからない、といったことはないだろうか。今回は、そんなイライラを解消してくれる洗剤、「過炭酸ナトリウム」をご紹介しよう。
「過炭酸ナトリウム」とは聞き慣れないが、一般的には「酸素系漂白剤」と言われている。塩素系漂白剤に比べてツンとした臭いがなく、色柄物の漂白にも使うことができるので、洋服の漂白剤として使用している人も多いだろう。しかし、過炭酸ナトリウムを洋服にだけ使っていてはもったいない。漂白だけでなく、除菌や消臭にも使うことができ、家中で大活躍するからだ。
風呂場で
まずは過炭酸ナトリウムを風呂場で活用してみよう。最後に入浴する人は、大さじ一杯の過炭酸ナトリウムを浴槽に入れてから出て欲しい。その時に、洗面器、手桶、風呂椅子から排水口の蓋まで浴槽に入れるのを忘れずに。一晩そのままつけ置きすれば、浴槽や洗面器などがピカピカになるのだ。過炭酸ナトリウムがぬめりや赤カビを分解してくれるので、風呂掃除が楽になる。
風呂場の排水口にもぴったりだ。排水口のごみを取ってから、大さじ一杯の過炭酸ナトリウムを周りに振りかければ、石鹸カスなどの汚れが取れ、消臭効果もある。カップ一杯を排水口から流せば、パイプの汚れが取れて詰まり防止になる。どちらも湯を張る前にやって放置し、入浴する時に勢いよくシャワーをかけて流せば、隙間時間で掃除が完了する。
風呂釜洗浄剤としても使うことができる。袋半分の過炭酸ナトリウムを浴槽に入れ、市販の風呂釜洗浄剤と同じ手順で掃除する。これで追い炊き配管の汚れが取れて、除菌効果もある。実際、風呂釜洗浄剤の主成分を見ると「過炭酸ナトリウム」の文字を発見することができるだろう。
知らぬうちについたタイルの汚れやカビには、過炭酸ナトリウムを使い古しの歯ブラシにつけて、少量の水とともにゴシゴシこするのが効果的だ。あっという間に真っ白になり、タイルもキュキュッとする。
台所で
台所でも過炭酸ナトリウムは大活躍だ。布ふきんやスポンジなど、汚れやシミがあるもの、消毒が必要なものをまとめて小鍋に入れ、過炭酸ナトリウムを大さじ一杯。触って熱いと感じる温度のお湯を入れれば、消毒と漂白をしてくれる。茶渋のついた茶漉しやコップも同じ方法であっという間にピカピカになる。真っ茶色になった茶漉しがステンレスの色に戻った時は、感動してしまった。
三角コーナーや排水口の蓋は、過炭酸ナトリウムをふりかけて亀の子たわしでこする。排水口の汚れや詰まり防止には、風呂場と同様にカップ一杯の過炭酸ナトリウムを流して二十分程度置いておくと良い。臭い、ぬめり、油汚れもすっきり取れてしまう。
シンクの曇りや、調理台の黒ずみ、ガス台・IHの油汚れには、過炭酸ナトリウムを振りかけて、緩く絞った布でこすり、最後に水拭きする。あっという間に引っ越して来た時のような輝きが戻るだろう。
洗濯で
洗濯の場面での活躍は言わずもがなであるが、過炭酸ナトリウムは漂白剤としてだけでなく日常の洗濯洗剤としても使うことができる。普段使っている洗濯洗剤と一緒に、大さじ一杯の過炭酸ナトリウムを入れると、より汚れが落ちやすくなるのだ。洗濯に使う水の温度が高い場合は、漂白効果が出る。白さを売りにしている市販の洗濯洗剤の成分にも、過炭酸ナトリウムが含まれていることが多い。洋服の消臭にもぴったりで、部屋干ししても全く臭わない。
毎日洗濯していると、洗濯槽も自然と掃除されていく。過炭酸ナトリウムを入れて洗濯機を回していると、だんだんと洗濯槽の臭いがなくなるのに気づくはずだ。そして、洗濯槽のステンレスの輝きが増してくる。市販の洗濯槽クリーナーと同じ手順で使うこともできる。定期的に洗濯槽クリーナーを使っている人でさえ、この方法を試すと驚愕するほどカビが取れるということで、ネット上にたくさんの写真が載っている。こんなに汚い中で洗濯していたことに卒倒するだろう。
色々と優しい過炭酸ナトリウム
色々な場面で使い回しできる過炭酸ナトリウム。1kg弱が数百円で手に入り、お財布に優しいところも魅力の一つだ。掃除洗濯の場面ごとに、効果的な洗剤を一つ一つ探していたのは何だったのだろうと思う。これら一つ一つの洗剤の効果よりも、過炭酸ナトリウムの効果の方が高い場合もしばしばあるのだから。さらに、過炭酸ナトリウムは、水・酸素・炭酸ソーダに分解されるので、お財布だけではなく環境にも優しいと言われている。
ただ、毛・絹や、ステンレス以外の金属・漆器など、変質・変色してしまうものもある。すべてに優しいというわけではないので、注意書きをよく読んでから使用して欲しい。
writer:AYAMI
アロマティシアのオーナー。『香りと暮らし研究家』として活動。2011年より『アロマティシア』を立ち上げ、香りや自然を取り入れた暮らし方について伝える講座や活動をしている。趣味はキャンプで、週末は森の中で過ごすことが多い。
ナポレオンの愛したオーデコロン『4711』
writer:AYAMI
クレオパトラ、ネロ、楊貴妃・・・・・・香りにまつわる権力者のエピソードは、古今東西尽きない。クレオパトラは毎日バラ風呂に入り、良い香りのする軟膏を身体中に塗っていたという。自分の身体だけでは飽き足りず、船にクローブの香りをつけたり、部屋中にバラの花びらをまいて、香りの空間演出もしていたらしい。彼女の周りからは、どれだけ良い香りが漂っていたことだろうか。
そんな権力者たちの愛した香りの中で、ナポレオンの愛した香水は、今も商品として販売され続けていることをご存知だろうか。『4711』というオーデコロンだ。
ナポレオンの愛した香り
『4711』には壮大なストーリーがある。18世紀、ナポレオンはドイツのケルンを占領する。そこで彼は衝撃的な香りと出会うことになる。『アクア・ミラビリス(すばらしい水)』、のちに『ケルンの水』といわれる、現地で流行していた軽やかな香りのオーデコロンだ。当時、ナポレオンのいたフランスではジャコウ鹿から採れるムスクなどの濃厚な香りが流行していた。彼は、このムスクとは正反対の爽やかな香りにすっかり夢中になってしまったのだった。
ケルン進駐軍の兵士たちは、こぞってケルンの水を本国にお土産として持ち帰り、愛する貴婦人たちに贈った。ナポレオンも、妻であるジョセフィーヌ妃にこの目新しい香りのオーデコロンをプレゼントした。妃はムスクの濃厚な香りが大好きだったが、以後、ナポレオンの前では爽やかなケルンの水とフローラルウォーターの香りしかつけるのを許されなかったと言われている。この香りは、今なお、『4711』という名前で売られており、『世界で最初のオーデコロン』として愛され続けている。
数年前ドイツに旅行した時、このロマンチックな物語を知らないまま、ゴージャスなパッケージと軽やかな香りに惹かれて、偶然お土産にしていた。ナポレオンがムスクの濃厚な香りと正反対の香りに惹かれたように、人工香料あふれる現代に生きる私も、免税店で売られている甘ったるい香りと正反対の爽やかさに惹かれたのだった。『4711』はオレンジ、ローズマリー、ラベンダー、ネロリなどのなじみ深い天然香料(アロマオイル)で作られており、男女ともにどのようなシーンでも気軽につけることができるのがロングヒットの理由だろう。
ナポレオンは、この爽やかな香水を生涯浴びるように愛用したと言う。日本で香水といえば女性や若者がメインユーザーだが、家庭のささやかな権力者(?)を標榜する中年男性も是非取り入れてみてはいかがだろうか。もう一度、その権力を手中に収める日が来ることを願って。
writer:AYAMI
アロマティシアのオーナー。『香りと暮らし研究家』として活動。2011年より『アロマティシア』を立ち上げ、香りや自然を取り入れた暮らし方について伝える講座や活動をしている。趣味はキャンプで、週末は森の中で過ごすことが多い。
蚊取り線香
writer:AYAMI
寝苦しい季節になって来た。この時期、もう一つ寝苦しさを感じる理由に『アイツの襲来』がある。アイツは、口うるさくブンブン叫び続け、無視して寝ようものなら翌朝真っ赤な傷跡を残して去っていく。痒みに悶絶する私を、アイツはきっと天井裏からあざ笑っていることだろう。永遠の天敵、蚊である。
蚊取り線香と除虫菊
今の時代、様々な虫よけアイテムが発売されているが、私の一番のお気に入りは古典的な蚊取り線香だ。しかも天然の除虫菊でできたもの。
除虫菊とはシロバナムシヨケギクと呼ばれるキク科の植物。写真を見ると、マーガレットのようなかわいいお花で、虫を殺してしまうような物騒な面影は微塵もない。しかしその昔、捨てられた除虫菊の周りで天に召された虫を発見。こうして経験的に殺虫剤として用いられるようになったという。
日本では戦前まで、除虫菊はとてもポピュラーな花だったという。明治時代にKINCHO(大日本除虫菊株式会社)の創業者が初めて除虫菊の種を手に入れ、仏壇のお線香の技術を応用して蚊取り線香を発明。蚊は伝染病を媒介することもあるため、以後除虫菊を栽培することが各地で奨励されることとなる。戦後、殺虫成分『ピレスロイド』が化学的に合成できることがわかり、除虫菊は観光資源として使われるのみとなった。しかし蚊取り線香は世界中で愛用され、伝染病の予防や蚊の襲来に悩める市民たちに大いに貢献している。
虫除けと殺虫剤
近年、ナチュラル回帰という風潮もあり、この蚊取り線香が見直されている。ベランダをリビングの延長として活用する家庭や、キャンプの流行もあり、蚊取り線香を見かける機会が一気に増えた。
『殺虫効果』ではなく『忌避効果』を狙った商品も多く見られる。蚊取り線香と同じような形状をしていても、天然の除虫菊を多少配合していても、虫を殺すのではなく、嫌がらせて寄せ付けない、虫除けをうたったものだ。虫だって同じ生き物、殺さないであげようよ、という優しい発想である。こちらは、蚊が嫌いな香りであるミントやレモングラスが配合されているものが多い。どんなに屋内で焚いても、蚊が召されていなくなるわけではないので、屋外での使用に限る。
天然の除虫菊を使った蚊取り線香は、化学成分を嫌う人たちや、アレルギー体質の人たちに愛用されている。私はほんのり優しい植物の香りが大好きで愛用している。疲れが出てきた夕方、お香を焚くような感覚で、蚊取り線香に火をつける。
この香りが嗅ぎたくて、蚊取り線香をつけたくて仕方ない。でも、蚊がいる気配は全くない。そんな状況なのに蚊取り線香をつけてしまうのはもったいないし、でも嗅ぎたいし。今年もジレンマの夏になりそうだ。
writer:AYAMI
アロマティシアのオーナー。「香りと暮らし研究家」として活動。2011年より「アロマティシア」を立ち上げ、香りや自然を取り入れた暮らし方について伝える講座や活動をしている。趣味はキャンプで、週末は森の中で過ごすことが多い。
土鍋ご飯
writer:AYAMI
「土鍋でご飯を炊くと美味しいよ。」そう言われたことはないだろうか。そして、「その話よく聞くけど、面倒くさくて。」そう返したことはないだろうか。今日は、この言葉を「私もやってるよ!本当に簡単だよね。」と変える道具をご紹介しよう。
はじめチョロチョロ 中パッパ 赤子が泣いても蓋とるな
この言葉を信じて林間学校でご飯を炊いたら、白い部分が一口ずつしかなかった。そんなみじめな記憶から、炊飯器に頼り切った人生を送っている方がいるなら、これほど残念なことはない。実家の母も、「土鍋で炊くと失敗するから」と言って、新型の高価な炊飯器を購入していたが、土鍋ご飯はその何倍も美味しい。しかも短時間に作ることができる。何より、土鍋は炊飯器に比べたら安価である。さらに、使わない時は収納ができるので、キッチンがすっきり片付く。
意外と簡単に炊くことができる土鍋ご飯
最近、大変便利な炊飯用の土鍋が販売されている。沸騰したらピューピュー音がする土鍋だ。これを使うと、「今日の夕飯はおこげ?」と聞かれるような失敗を回避することができる。まずは炊飯器と同様に、お米をといで、30分から1時間吸水させる。その後、この土鍋の中に入れて、水加減を示す溝まで水を入れる。蓋をして強火にかける。沸騰したらピューピュー鳴るので火を止め、15分程度蒸らす。これで出来上がり。どこがチョロチョロでパッパなのか悩む必要は一切ない。
お手持ちの土鍋でも意外と簡単にお米を炊くことができる。一般的な土鍋の場合は、水加減の目印がないので、米1に対してちょっと多めの1.2程度を目安にする。蓋をしてチョロチョロパッパに関係なく、とにかく沸騰させる。蒸気穴から白い蒸気が出てきたら、強火で10秒熱し、火を止め、15分程度蒸らす。
土鍋ご飯は料亭の味
土鍋で炊きあげたご飯は、ゆっくりじっくり火が入るので、お米の甘味を引き出す。そして、程よい圧力がかかるので、お米が立ってホクホクになる。また、保温・保湿効果があるので、パサパサに仕上がることもベチャベチャになることもないのだ。
翌日に持ち越す時は、タッパーに入れて冷凍保存しよう。1人分なら、電子レンジで4分程度チンすれば、炊き立てと変わらないご飯を食べることができる。また、お米をとぐ水、吸水に使う水、土鍋に入れる水は、使いまわさず、毎回取り換えるのが美味しいご飯を炊くポイントだ。混ぜご飯も美味しくできる。酒、出汁、醤油を入れて、その分だけ水を減らして同じように炊く。芋、栗、豆など、ホクホクさせたい食材との相性は抜群である。
『なぜこんなに良いものを使わなくなってしまったのだろうランキング』があるなら、躊躇なく1位に推したい土鍋ご飯。炊飯器より早く簡単にでき、美味しく仕上がるので、一度使ったら病みつきになるだろう。何気なく食べていたお米が、料亭の味にレベルアップすること間違いなしの逸品である。
HARIO フタがガラスのご飯釜(3合用)
8,000円(税別)
writer:AYAMI
アロマティシアのオーナー。「香りと暮らし研究家」として活動。2011年より「アロマティシア」を立ち上げ、香りや自然を取り入れた暮らし方について伝える講座や活動をしている。趣味はキャンプで、週末は森の中で過ごすことが多い。
シルクのマスク
writer:AYAMI
今年も花粉が飛び始めた。ひどい花粉症なのに、今までマスクをするのが好きではなかった。息苦しい、顔にまとわりつく、お化粧が崩れる、肌が荒れる…。嫌な理由ならいくらでも挙げることができる。そんな私でも苦にならないマスクを発見した。シルクのマスクだ。
布製のマスクといえば、給食当番を思い出す。あの木綿のマスクは、ガーゼを何枚も重ねているため息苦しく、呼気で湿った感じがしたのを覚えているだろうか。マスクをはずすと、その日の当番の男子のうち1人は必ずと言っていいほど鼻水が垂れていたものだ。汗と鼻水の給食当番。そんな勲章はオトナになった今は必要ない。
高機能なシルクのマスク
シルクのマスクは、通気性があるため、普段と同じように呼吸ができる。また、吸湿性があり表面がさらさらしているので、呼気で湿気てしまうことも、鼻水が垂れることもない。また、シルクは人間の皮膚に近い成分でできているので、お肌にも優しく静電気も起きにくい。肌の摩擦に弱い方にもおすすめだ。さらにシルクには殺菌効果があるので、マスクを衛生的に保つことができる。保温性や紫外線を吸収する性質もあることから、美肌にも強い味方だ。
シルクというとお手入れが難しいイメージだが、前述のように殺菌作用があるため、基本的に水洗いで良い。化粧をしている私は、洗濯洗剤で押し洗いをして日陰に干しておく。
そもそもシルクは蚕(かいこ)を覆う繭(まゆ)なので、いわば家のようなもの。通気性があり、温かく、衛生的で、心地が良いのは当然だ。私たちの顔も半分、蚕の家に入れていただこうではないか。今年の春は、快適なマスクライフが待っているはずだ。
cocoonfit シルク おやすみマスク
1,800円(税別)
writer:AYAMI
アロマティシアのオーナー。「香りと暮らし研究家」として活動。2011年より「アロマティシア」を立ち上げ、香りや自然を取り入れた暮らし方について伝える講座や活動をしている。趣味はキャンプで、週末は森の中で過ごすことが多い。
石油ストーブ
writer:AYAMI
去年、エアコンから石油ストーブに買い替えてから、冷え性の大敵である憂鬱な冬が急に大好きになった。この石油ストーブのおかげで、生活が一変したのだ。足元がぽっかぽかになり、手荒れと喉のイガイガがなくなり、煮込み料理が上手にできるようになった。読書が進み、心が落ち着くようにもなった。今年は冬もご機嫌だ。
石油ストーブは、暖かさが部屋中に広がる
エアコンは上の方から暖かい風を送るので、足元が冷えやすい。しかし石油ストーブは、床の方から太陽の熱のようにじわじわと暖めてくれるので、エアコン特有の酔ってしまうような不快感がない。しかも暖かさが持続するので、帰宅直後もなんとなく部屋がぬくぬくする。冷え性の私には大変嬉しい効果だ。
石油ストーブは、加湿器がいらない
エアコンは温風ゆえに空気が乾燥するが、石油ストーブは石油を燃焼させる時に水蒸気を出すので、部屋が乾燥しにくい。石油ストーブには南部鉄器のやかんをかけているので、沸騰した水蒸気がさらに部屋を加湿する。この効果は抜群で、長年悩まされてきた冬の手荒れから完全に解放された。朝起きた時の喉のイガイガもない。嬉しいことに、いつでも沸騰したやかんから、美味しいハーブティーを飲むことができるというおまけ付きだ。
石油ストーブは、美味しいお料理ができる
エアコンでは料理はできないが、石油ストーブでは美味しい料理がたくさんできる。時間がかかることで光熱費を心配して躊躇していた牛スジの煮込みも、部屋を暖める際に石油ストーブの上に鍋をのせておけば一石二鳥。IHコンロに比べて、火の入りが良く、煮込み料理がトロトロになるので、お料理上手になった気分も味わうことができる。
お気に入りのストーブレシピ「牡蠣の瓶詰め」
今一番お気に入りのストーブレシピは、お友達に教えてもらった「牡蠣の瓶詰め」。牡蠣の水分が飛ぶまで煎って、大さじ1杯の酒と醤油を加えて炒める。粗熱を取ってから、オリーブオイルが入った瓶に詰めてできあがり。仕上げにお好みのスパイスを入れる。我が家では、ニンニク、ショウガ、ローリエ、唐辛子は必須。あとは気分により、オールスパイス、フェンネル、オレガノ、ナツメグなどを入れる。エリンギや豆などを入れると、そのまま副菜にもなる。3日目からが食べ頃で、だいたいその日はお酒のおつまみとして、そのままいただく。美味しいので、ここで半分くらいはなくなってしまう。4日目以降は、パスタやカレーやスープに入れて楽しむ。残ったオリーブオイルは、コクを出したい時に、料理の最後にふりかけると、シェフが作ったような味に早変わりする。
石油ストーブは、心休まる空間を与えてくれる
エアコンには照明機能はないが、石油ストーブの炎が癒しの照明になる。我が家の石油ストーブは、白熱球に相当する40Wの明るさがあるという。だから、あと1つ間接照明があれば、リビングの明かりとして十分に明るい。オレンジ色の炎を見ながら読書すると、まるで暖炉の前にいる気分だ。暖かく、加湿された静かな空間で、大好きな本を読むひととき。炎の光が心を落ち着かせ、騒がしかった一日を忘れさせてくれる。
エアコンより暖かく、加湿効果があり、美味しいお料理を作ることができて、心休まる空間まで演出してくれる石油ストーブ。火の始末など安全性の問題もあり、近年は石油ストーブ不可の住宅も増えていると聞く。そんなことからか、都会では見かけることが少なくなっているが、これほど快適な生活を与えてくれるのなら、改めて見直すのも悪くないと思う。今年は灯油の値段が安いため、光熱費も大変お得だ。災害時にも役立つと言われているし、次に暖房器具を買い替える際には、是非候補に入れて欲しい一品である。
TOYOTOMI(トヨトミ) 対流型 石油ストーブ ランタン調
28,000円(税別)
writer:AYAMI
アロマティシアのオーナー。「香りと暮らし研究家」として活動。2011年より「アロマティシア」を立ち上げ、香りや自然を取り入れた暮らし方について伝える講座や活動をしている。趣味はキャンプで、週末は森の中で過ごすことが多い。