おとなの可愛げキモノ帖
花火大会だけじゃない!賢く可愛くゆかたTPO
writer:半澤リカ
五月に入って、まるで夏のような気温を感じる日もあって驚きますね。今年も近づいてきました、夏、そしてゆかたの季節。「このコラムをご覧いただいている一人でも多くの方と、今年は一緒にゆかたを楽しみたい!」そんな思いで五月から四回連続でゆかた特集をお送りします。
ゆかたは着物デビューへの近道
着物を一人で着るって、ちょっとハードルが高いですよね。そんなとき、基本の着物の着方を覚えるのにゆかたは打ってつけです。汚れても自分で洗えますし、値段も買いやすく、木綿地で軽いので着付けの練習もしやすいかと思います。
ゆかたの着方とゆかた帯の結び方さえ覚えてしてしまえば、あとは長襦袢(着物用の下着)を着けるだけで、カジュアルな着物も自分で着ることができるようになります。今年はぜひ、ゆかたの着方をマスターしましょう。
どのように着こなす?
ゆかたは小物や帯で着こなしの幅を広げることが可能です。シンプルに半幅帯を合わせるとすっきりとして、花火デートにぴったりです。
襟つきの夏着物用下着を中に着て夏の名古屋帯をしめれば、きちんとした雰囲気が出てレストランでのお食事や女子会に出掛けたくなります。
そもそもゆかたとは?
ゆかたは、平安時代に蒸風呂で用いた麻の着衣、『湯帷子(ゆかたびら)』が語源です。江戸時代から明治時代にかけて、木綿で作られた風呂後のくつろぎ着、寝間着として庶民の間に広まりました。昔は殺菌作用や防虫効果のある藍染が主流でした。
今や、鮮やかなデザインや様々な素材などおしゃれ着としてのイメージもあるゆかたですが、くつろぎ着、寝間着としての歴史背景があるので、フォーマルシーンでは着用を控えるのが良いでしょう。ゆかたを洋服のアイテムに例えるとすれば『Tシャツ』と思っていただくとわかりやすいのではと思います。
いつ着て、どこへ行く?
写真の帯結びは『カルタ結び』といいます。椅子にもたれても崩れない、苦しくないフラットな帯結びは、映画鑑賞や小旅行に行っても着崩れせず、楽ちんです。
ゆかたを自分で着ることができたら、どこへお出かけしたいですか。花火大会だけではもったいないですよね。涼をもとめて水族館や、モダンな柄をまとって美術館散策へ。自分で洗うことができるので、汚れるのを覚悟してライブハウスに行ったり、一杯飲みに行くこともできますね。ゆかただと割引があったりする場所もたくさんあります。
来月のコラムではゆかたを着るのに必要なアイテムと着付けのポイントをお伝えしたいと思います。ゆかた特集の中では、お出かけするのに楽しいおすすめスポットもお伝えしていく予定ですのでどうぞお楽しみに。
インスタグラムでは、着物・ゆかたのお出かけ情報と共に、今年買い付けたゆかたの中から特に可愛くお買い得なものを一番先にご覧いただけます。メンズゆかたも掲載予定です。フォローも大歓迎ですので、ぜひチェックしてみてください。
Instagram:rikahanzawa_kimono
writer:半澤 リカ
着物スタイリスト、たんす屋青山店ショップオーナー、伝統色彩士協会認定講師。青山学院大学在学中に着物のファッショナブルさに目覚める。その後、セレクトショップ勤務を経て、大手リサイクル着物会社に就職。あらゆる着物の仕入れ、販売、着付け、スタイリング、メンテナンスのアドバイスに10年携わる。日常のおしゃれの中に自分らしいきものを!がテーマ。趣味は、美味しいものを食べること。温泉。
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