おとなの可愛げキモノ帖
いざという時!押さえておきたい着物を着た時の美しい所作
writer:半澤リカ
お正月や結婚式などふだん着慣れない着物を着たとき、どのように体を動かせばいいか戸惑ったことはありませんか。いつもより長い袖、裾のさばきや座るときなどなど……。
お茶や日舞を習っていなくても、大丈夫。目上の方や義母に白い目で見られないように、着物の時の所作(身のこなし)マナーをまとめてみました。
歩く時は八の字、半歩で
歩幅はいつもより半歩控えめを意識しましょう。余裕があれば、漢字の八の字を、一直線上で書くような気持ちで歩いてみてください。
大切なのは、どうしても急ぐとき。右手で上前を少し抑えると裾がバサバサと広がらず、早歩きができます。(でもあまり走らないでくださいね。)
正座のときはシワ防止
座るとき、右の手のひらで、左と右の膝小僧の下あたりの着物の生地を漢字の一の字を描くようにサッと平らにするようになでながら膝を床につけます。シワや裾の乱れを防ぎます。
手をあげるときは、袖口をおさえる
乾杯の時など、胸の位置より高く手を上げる際には袖口を反対側の手でおさえましょう。ひじ上が見えるのを防ぎ、とてもエレガントです。電車ではなるべくつり革は避けて、手を上げなくても掴まれるポールなどを持つ方が綺麗です。
車に乗るとき
車内に対して背を向けて座り、お尻を軸にして体を反時計回りに回転させて乗り込みます。その時、足は揃えたままにするのがポイント。「よいしょ」と乗り込むのだけは足首が見えるので避けてください。
窓側よりも、ドア側の席を確保する方が乗り降りが楽です。姿勢良くいることで、帯の着崩れも防げます。
まとめ
歩幅、手をあげるとき、座るとき、この3つのシチュエーションでいつもより手や足の露出に気を使うだけでよいのです。それだけで、着姿にぐんと差がつきます。
着物を着るだけでふだんの自分の所作がどんなものなのかが意識できるのも、大人の女性として素敵なことではないでしょうか。
writer:半澤 リカ
着物スタイリスト、たんす屋青山店ショップオーナー、伝統色彩士協会認定講師。青山学院大学在学中に着物のファッショナブルさに目覚める。その後、セレクトショップ勤務を経て、大手リサイクル着物会社に就職。あらゆる着物の仕入れ、販売、着付け、スタイリング、メンテナンスのアドバイスに10年携わる。『日常のおしゃれの中に自分らしい着物を!』がテーマ。趣味は、美味しいものを食べること。温泉。
Instagram:rikahanzawa_kimono