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ハンガリー生活、はじめました

ハンガリー生活、はじめました

ブダペスト在住ライター 本宮じゅんが綴る、ハンガリーでの日常生活エピソード。ヨーロッパの真ん中で独自の発展を遂げたこの国の観光名所やイベント、グルメ事情などを自らの体験を交えながらご紹介します。

はちみつのある生活

2018.05.10

はちみつのある生活

ハンガリーははちみつの名産地。バリエーションも豊かで日本では馴染みがないものばかりが並んでいる。ミツバチの力を利用した健康療法アピセラピーや、ハンガリー北東部にあるはちみつ博物館をご紹介します。

イースターのある生活

2018.04.11

イースターのある生活

日本でもここ近年はハロウィンに続く季節イベントとして注目されているというイースター。食事制限があったり、ゆで卵を食べたり、イースター・エッグを飾ったり…ハンガリーのイースター事情についてご紹介します。

「国際女性デー」のある生活

2018.03.14

「国際女性デー」のある生活

ハンガリーではバレンタインデーはそれほど盛り上がらずホワイトデーの習慣もない。しかしこの季節に女性に花を贈る習慣がある。それが国際女性デーだ。日本でも浸透し始めている国際女性デーについてご紹介します。

ブショーヤーラーシュのある生活

2018.02.16

ブショーヤーラーシュのある生活

ハンガリーとクロアチアとの国境近くの街モハーチで開催される、寒い冬を終えて春を迎えるお祭り、ブショーヤーラーシュ。ユネスコ無形文化遺産にも登録され、近年ますます注目されているお祭りをご紹介します。

キュルテーシュカラーチのある生活

2018.01.17

キュルテーシュカラーチのある生活

ブダペストの地下鉄の出口を出ると甘く香ばしい匂いに気づくことがある。匂いの先にはほとんどの場合長い行列があって焼き菓子のスタンドがある。ハンガリーの焼き菓子キュルテーシュカラーチについてご紹介します。

クリスマスマーケットのある生活 ― 2017年

2017.12.13

クリスマスマーケットのある生活 ― 2017年

今年もブダペストはクリスマスマーケットの季節となった。観光客に大人気のヴェレシュマルティ広場から、観光客がほとんど訪れないウーイペシュト地区まで、毎日訪れたいクリスマスマーケットの様子をご紹介します。

キャベツのある生活

2017.11.15

キャベツのある生活

ブダペスト近郊のヴェチェーシュはキャベツの名産地として知られ、毎年九月中旬にはカーポスタフェストというキャベツの収穫祭が開催される。キャベツのパレードなど、日本では見慣れないお祭り風景をご紹介します。

温泉のある生活

2017.10.18

温泉のある生活

ハンガリーは温泉大国でブダペストには五十以上の施設がある。温水プールのようなこちらの温泉は、人々の生活の中にもしっかり根付いており、観光客にも人気だ。日本とは違うハンガリーの温泉事情をご紹介します。

アイスクリームのある生活

2017.09.20

アイスクリームのある生活

ハンガリーでは夏になると街中にアイスクリームの屋台が次々と増える。老若男女問わず大きなアイスクリームが乗ったコーンを片手に食べながら街を歩いている。ハンガリーのアイスクリーム事情をご紹介します。

バラトン湖のある生活

2017.08.09

バラトンのある生活

ハンガリー語には、「夏の休暇を過ごす」という意味の動詞がある。休暇先を過ごす場所として国内で最も人気なのが、ハンガリー最大の湖であるバラトン湖。ハンガリー人の夏の休暇の過ごし方についてご紹介します。

クレーメシュのある生活

2017.07.12

クレーメシュのある生活

ハンガリーにはクレーメシュという薄いパイ生地にクリームが挟んであり、粉砂糖が振りかけてあるケーキがある。筆者がここ最近カフェで必ずといってもいいほど注文している、クレーメシュについてご紹介します。

市場のある生活

2017.06.14

市場のある生活

ブダペストには「中央市場」をはじめ常設市場が数多く点在していて、人気の観光スポットになっている。地元の人とさりげない交流ができ、筆者にとって欠かせない存在になっている市場についてご紹介します。

ボガーチャのある生活

2017.05.24

ボガーチャのある生活

ポガーチャとはハンガリー名物のスコーンのような小さなパン。スコーンよりも食感がモチモチしており、チーズ味やベーコン味などもある。ハンガリーで大好きになったポガーチャについてご紹介します。

色とりどりの花のある生活

2017.04.19

色とりどりの花のある生活

ブダペストに春が訪れると色とりどりの花屋のディスプレイが目に飛び込んでくるようになった。冬の間は閉めている店もあったが、今は街のいたるところで花屋を見かける。ブダペストの花事情をご紹介します。

フォアグラのある生活

2017.03.15

フォアグラのある生活

ハンガリー生活を始める決意に背中を押したのはフォアグラだった。初めて訪れた時、人生を変えたフォアグラに出逢った。ハンガリーはフォアグラの名産国。安く美味しくフォアグラを楽しむ方法をご紹介します。

壁画のある生活

2017.02.15

壁画のある生活

ブダペストに来て壁画の多さに驚いた。壁画を探して写真に撮るのが楽しみになった。壁は巨大なアートでびっくりするような絵やメッセージが描かれていることも。歴史的ユダヤ人地区の壁画の謎についてご紹介します。

パプリカのある生活

2017.02.01

パプリカのある生活

パプリカはハンガリー料理には欠かせない。辛いパプリカ、甘いパプリカ、粉のパプリカ、色とりどりのパプリカ、色々なパプリカがハンガリーにはある。ビタミンCの発見とも関係の深いパプリカの世界をご紹介します。

クリスマスマーケットのある生活

2016.12.07

クリスマスマーケットのある生活

ブダペストに来て初めてのクリスマス。クリスマスマーケットが街中で開催されている。最も大きな規模で『ヨーロッパで最も魅力的なフェア TOP10』にも選ばれたヴェレシュマルティ広場の様子をご紹介します。

トラムのある生活

2016.11.16

トラムのある生活

ブダペストに来てから三ヶ月が経過して、初めての場所でもトラムで難なく訪れることができるようになった。こちらでは二十六系統ものトラムが街中を縦横無尽に走っている。 ブダペストのトラム事情をご紹介します。

ワインのある生活

2016.10.12

ワインのある生活

ブダペストに来てワインを飲むようになった理由はとても美味しく安いから。ここにはワインの名産地が二十以上ある。国内外の約百五十のワイナリーが出店するブダペスト・ワインフェスティバルの様子もご紹介します。

ドナウ川のある生活

2016.09.14

ドナウ川のある生活

初めてハンガリーの首都ブダペストを訪れた日から一年。お世話になった人々や住み慣れた街に未練を残しながらブダペストでの生活を始めることとなった。ドナウの真珠と呼ばれる世界遺産、ブダペストの街並みをご紹介します。

motomiyajun

writer:本宮じゅん

2016年7月末にハンガリーのブダペストに移住したばかりの新米ライター。大学在学中に1年間ドイツのライプツィヒ大学に交換留学し、卒業後は外資系化粧品メーカー・広告代理店・外食産業と、業界が違いながらも通算14年近くマーケティング業務に携わった後、ハンガリーのブダペストへ。趣味は料理、街歩き、街歩きのついでに飲むビール。

blog:ドナウの東か、遥かもっと東から twitter Instagram

当ウェブサイトに掲載されているコンテンツは著作権法により保護されており、許可なく複製・転用などすることは法律で禁止されています。当ウェブサイトの内容を、ブログ・他のウェブサイト・雑誌・書籍などへ転載・掲載する場合は、事前に必ずアロマティシアまでご連絡下さい。

はちみつのある生活

2018.05.10
writer: 本宮じゅん

ハンガリーでの生活を始めてから、もうすぐ二年。今でこそハンガリーの文化や歴史、名産品についての知識もだいぶ増えてきたものだけど、初めてこの国を訪れるまではほとんど何も知らなかった。知っていた情報といえば、かつてのオーストリア=ハンガリー二重帝国について。それともう一つ、はちみつの名産地であるということだ。

ハンガリー産のはちみつ

お祭りで見かけたはちみつ屋さん
お祭りで見かけたはちみつ屋さん

財務省貿易統計(輸入)2017年度版によると、日本においての天然はちみつ輸入量は、年間約42,821t。最大の輸入相手国は中国で、アルゼンチン、カナダに続き、ハンガリーは第四番目にランクイン。年間約1,202tで、その量は全体の輸入量の約2.8パーセントを占めている。日本のスーパーなどで手に入る市販品では、アカシアはちみつが主流で、私も趣味のパン作りの材料によく購入していた。ほかの産地のものと比べて、クセがなくほんのりとした風味が気に入っていた。

実際はアカシア以外にもバリエーション豊かにあるということを知ったのは、こちらで生活を始めてからだった。例えばお祭りの屋台などにも、ヒマワリ、菜の花、菩提樹、エルダーフラワーなど、日本にいた頃には馴染みがなかったものばかりが並んでいる。

ハンガリー北東部の「はちみつ博物館」を訪問

養蜂家の仕事を体験見学
養蜂家の仕事を体験見学

ちょうど四月の終わりに、ハンガリー北東部のヴィジョイ(Vizsoly)という小さな村にある「はちみつ博物館」を訪問してきた。博物館内には養蜂業の歴史に関わる展示やショップもあり、網付き帽子の防護服を着ながら巣箱の中身を見学することもできた。中には仕事中のミツバチがびっしり。巣枠に付いている、まだはちみつになる前の状態を試食させてもらったところ、甘さはほとんど感じなかったものの、豊かな風味が口の中いっぱいに広がった。

ミツバチの力を活かした「アピセラピー」

巣箱のログハウスでリラックス
巣箱のログハウスでリラックス

そのあとでオーナーが案内してくれたのは、博物館の敷地内にある小さなログハウス。中は全面木の板張りになっていて、鼻の奥から喉にかけて穏やかに通り抜けるような、不思議な空気に満ちあふれていた。オーナーによると、なんとこの木のベンチの下が巣箱になっていて、五万から十万ものミツバチたちが棲息しているとのこと。そして、すき間から入り込んでくる空気を吸いながら、体の中から癒すための施設なのだそうだ。リラックス効果はもちろん、喘息など呼吸器疾患、アレルギーなどに効果・効能が期待できるらしい。

このようにミツバチの力を利用した健康療法「アピセラピー」は、ハンガリーのみならずヨーロッパでは広く浸透しているようだ。敷地内にあるゲストハウスでも、はちみつ、花粉、プロポリス、ローヤルゼリー、蜂針など、専門家によるさまざまなセラピーを提供しているとのこと。宿泊もできるので、いつかじっくりその効果を実感しに滞在したい。

はちみつグッズをお土産に

併設のショップでお土産を購入
併設のショップでお土産を購入

ひととおり見学を終えて、併設のショップへ。蜜蝋でできたかわいらしいキャンドルや、はちみつとアプリコットの蒸留酒、ジンジャー入りはちみつ、フレーバーはちみつ、自家製のプロポリス抽出液などをお土産に購入した。ハンガリーでは、プロポリスも普通にドラッグストアで手に入るのだけど、自家製のものともあれば格段に効果も高いことを祈りつつ。毎日規則的に摂取することで、少しずつでも免疫力をアップできればと思う。

知れば知るほど奥が深いはちみつの魅力。ますます目が離せないでいる。

motomiyajun

writer:本宮じゅん

2016年7月末にハンガリーのブダペストに移住したばかりの新米ライター。大学在学中に1年間ドイツのライプツィヒ大学に交換留学し、卒業後は外資系化粧品メーカー・広告代理店・外食産業と、業界が違いながらも通算14年近くマーケティング業務に携わった後、ハンガリーのブダペストへ。趣味は料理、街歩き、街歩きのついでに飲むビール。

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イースターのある生活

2018.04.11
writer: 本宮じゅん

ハンガリーでは今年2018年3月以降、既に二回も四連休に恵まれた。一回目は3月15日、「1848・1849年の革命記念日」の祝日から始まる四日間、そして二回目は3月31日、「聖大金曜日」の祝日から始まるイースター休暇の四日間だ。祝日の前日ともなると、建物やドナウ川に架かる橋などには国旗が掲げられ、街全体が祝福モードに包まれる。

両端に国旗がたなびくドナウ川の自由橋
両端に国旗がたなびくドナウ川の自由橋

イースター休暇は四日間

区役所から届いたグリーティングカード
区役所から届いたグリーティングカード

日本でもここ近年は、ハロウィンに続く季節イベントとして注目されているというイースター。日本語で「復活祭」と訳されるように、イエス・キリストが死後三日後に復活したことを祝う、キリスト教においてとても重要な祭である。

ハンガリー語では「フーシュヴェート(Húsvét)」といって、西方教会の伝統にならい、毎年、春分の日の後の初の満月の次の日曜日に設定される。つまり毎年変動するのだが、今年は4月1日の日曜日となった。そして、イースター前の金曜日である3月31日はイエス・キリストの受難と死を記念する「聖大金曜日」。ハンガリーでは2017年からこの祝日が休日に制定され、イースター翌日の月曜日までの四日間が休暇となった。

イースターの季節になると

フォスローシュ・フォノット・カラーチ(Foszlós fonott kalács)
フォスローシュ・フォノット・カラーチ(Foszlós fonott kalács)

「聖大金曜日」はハンガリー語では「ナジペーンテク(Nagypéntek)」。この日、カトリック教徒は教会の規定により食事制限が行われ、肉や卵や乳製品は摂取しない。カトリック教徒が約39パーセントを占めるハンガリーでも、この日は白身魚を食べる習慣があるそうだ。そしてイースター当日のディナーはとても重要で、メインの肉料理に、ポテトや野菜が添えられるという。そのほか、「フォスローシュ・フォノット・カラーチ(Foszlós fonott kalács)」という甘めの生地の編みパンやハム、ゆで卵、ホースラディッシュも定番メニューだ。

スーパーでもウサギやタマゴのグッズが並ぶ
スーパーでもウサギやタマゴのグッズが並ぶ

また、イースターが近づくと、スーパーの店内もさまざまなイースター関連商品で華やぐ。代表的なのは、ウサギやタマゴのチョコレート。メーカーごとに違うデザインとなっているので思わず集めたくなってしまう。また、装飾を施したイースター・エッグも欠かせない存在だ。我が家では去年友人にもらった手作りの木のイースター・エッグと、ウサギのエッグスタンドをテーブルに飾った。あまりに可愛らしいので、イースターが終わってからもそのまま片付けないままでいる。

イースター・エッグ作りに挑戦

模様付け、なかなか難しい
模様付け、なかなか難しい

イースター当日は各地でイベントが開催されていて、私も小さな子どもたちに混ざってイースター・エッグの体験イベントに参加してみた。タマゴの殻にロウで模様を付けて、タマネギの皮を煮詰めた鍋で茹でて赤い色を付ける。色が付いたら火で炙ってロウを落として完成。

伝統的な模様の見本を見ながら頑張ってみたのだが、なかなか残念な仕上がりになってしまった。色を着ける前の方がまだまともなので、その写真だけこちらにご紹介。次回はもっと上手にできるように、ちゃんと練習しないとね。

motomiyajun

writer:本宮じゅん

2016年7月末にハンガリーのブダペストに移住したばかりの新米ライター。大学在学中に1年間ドイツのライプツィヒ大学に交換留学し、卒業後は外資系化粧品メーカー・広告代理店・外食産業と、業界が違いながらも通算14年近くマーケティング業務に携わった後、ハンガリーのブダペストへ。趣味は料理、街歩き、街歩きのついでに飲むビール。

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「国際女性デー」のある生活

2018.03.14
writer: 本宮じゅん

このコラムが公開される頃、日本はバレンタインデーから一か月後のホワイトデー。男性の皆様はプレゼント探しにそわそわとされていたことだろう。そして、日本のバレンタインデーがどれだけ盛り上がったのか、その様子もなんとなく想像できる。

一方、ハンガリーではバレンタインデーはそれほど盛り上がらず、ホワイトデーの習慣もない。けれども、この季節に男性から女性に花を贈るという習慣がある。それが、3月8日の「国際女性デー」だ。

「国際女性デー」とは

ブダペスト、ブラハ・ルイザ広場の露店
ブダペスト、ブラハ・ルイザ広場の露店

日本でもここ数年「国際女性デー」が徐々に浸透し始めていると聞いている。元々はアメリカが起源。1904年3月8日、ニューヨークで女性労働者たちによる婦人参政権を求めるデモが行われたことに始まるという。女性の社会的平等を求める流れは世界に広まり、1975年、国連が毎年この日を「国際女性デー」と制定した。以後四十年以上の歴史を持つ。

制定された経緯には、1917年のロシア二月革命の影響もあるという。この革命が起こったのはロシア旧暦の2月23日、つまり現在のグレゴリオ暦で3月8日。当時の首都ペトログラードで、女性労働者たちによる食料配給の改善を求めるデモが大規模な蜂起へと拡大し、帝政の崩壊へと繋がった歴史的事件だ。そして1966年以降、この日はロシアの祝日となる。その後時代とともに政治色は消えていき、今のように女性に感謝を伝える日となった。

美しい花と愛に溢れる日

ブダペスト、東駅前の露店
ブダペスト、東駅前の露店

第二次世界大戦後、旧ソ連に占領されていたこともあり、ハンガリーもロシアの「国際女性デー」の影響を強く受けている。3月8日が近づくと、街の花屋のディスプレイがますます豪華になるだけでなく、大きな広場にも色とりどりの花を売る露店が並び始める。ちょうど気温も上がり、晴れの日が続くようになってきたばかりで、明るい日差しの中こうした花々が一層美しく見えた。

当日は男性が周りの女性(家族、恋人、同僚など)に花を贈る、というのが一般的だが、女性同士贈り合うこともあるし、花の代わりにチョコレートなどを贈ることもある。ただ残念ながら、男性陣は何ももらえないようだ。

私にもその日はやってきた

今年いただいたバラの花
今年いただいたバラの花

今年は、とあるイベントでハンガリー中部のケチケメートという街を訪れていた。お昼に入ったレストランでは、隣に同じ職場のグループとおぼしき団体客がいて、鉢植えの花を女性陣にプレゼントしていたのが見えた。その時に何もなかったのですっかり忘れていたのだが、イベント会場にいる途中に思いがけず綺麗なバラの花をいただいた。受け取った時は、あまりに感激して涙が出そうになってしまった。

ハンガリーに来て二回目の春。私にとっても「国際女性デー」は特別な日となりつつある。

motomiyajun

writer:本宮じゅん

2016年7月末にハンガリーのブダペストに移住したばかりの新米ライター。大学在学中に1年間ドイツのライプツィヒ大学に交換留学し、卒業後は外資系化粧品メーカー・広告代理店・外食産業と、業界が違いながらも通算14年近くマーケティング業務に携わった後、ハンガリーのブダペストへ。趣味は料理、街歩き、街歩きのついでに飲むビール。

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ブショーヤーラーシュのある生活

2018.02.16
writer: 本宮じゅん

先月東京では四十八年ぶりの摂氏氷点下四度を記録したというニュースが飛び込んできて、流石にびっくりした。ここハンガリーの首都ブダペストでは最高気温が氷点下の日もありながら、去年の寒さに比べたら割と暖かい日が続いている。ただ、そう思っていたら雪が降ったりするので、まだまだ油断はならない。

そんな中、ハンガリーとクロアチアとの国境近くの街モハーチ(Mohács)で開催されている、寒い冬を終えて春を迎える毎年恒例のお祭り「ブショーヤーラーシュ(Busójárás)」を今年も見学してきた。

ブショーヤーラーシュの起源

モハーチの街中はブショーでいっぱい
モハーチの街中はブショーでいっぱい

ブショーヤーラーシュが開催される時期は、その年によって異なる。というのも、春分以降の満月の次の日曜日(復活祭、イースター)を起点として、その四十日前の木曜日から翌週火曜日まで(謝肉祭の期間)の最後の時期の六日間開催されるからだ。元々はこの地方に住んでいたショカツ族というクロアチア人の民族集団の一派によって伝承されてきたお祭りで、2009年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されている。

冬を追い払うお祭り

美女を連れて歩くブショーで
美女を連れて歩くブショーで

写真のように、大きな目と角とニッと歯を見せながら笑っているのが特徴のお面を付け、羊の毛皮で作られた衣装をまとっているのが「ブショー」。カンカンと鳴る金属製のベルや、ちょっとイラっとする音を立てる木製のおもちゃのような楽器をぐるぐる回して大きな音を鳴らしながら、街中を練り歩く。お供には、ハンガリー刺繍やレースが施された民族衣装に仮面を付けた若い美女たち。

お祭りの間、ブショーたちは女性に対していたずらすることが容認されているとのことで、それは観光客に対しても容赦ない。初めて訪れた際も突然近づいてきたブショーに抱きかかえられて、さらに髪にぐしゃぐしゃと小麦粉をかけられ、もう恐怖で気が気でなかったのだが、そばにいた女性に「あなたこれから良いことあるわよ」と言われてちょっと救われた。それから何か良いことが起こった時は、ブショーのおかげだと勝手に解釈している。

春はもうすぐ

ブショーのパレード
ブショーのパレード

お祭りのクライマックスは重要なイベントが盛りだくさんの日曜日。たくさんのブショーたちがドナウ川の対岸から船に乗ってきてやってきて、街中を行進する。日曜日ということもあって世界中から何万人もの観光客が押し寄せ、街はまるで初詣の神社状態となる。普段は静かなのだが、この時期だけ人でいっぱいになるようだ。

初めて訪れた際は現地在住の友人も含めて五人で行ったのだが、あまりの大混雑ぶりに一人が迷子になって大変だった。そして、年を追うごとに訪れる人々の数はどんどん増えているようだ。なので、翌年以降はクライマックスを過ぎ、かつ平日である最終日の火曜日に訪れるようにしている。

狙い目は最終日である火曜日

最終日のかがり火
最終日のかがり火

最終日の火曜日にはパレード後の夕刻より中央の大きな広場でかがり火が焚かれる。運ばれてきた棺などが燃やされ、これによって冬を追い出すという意味合いがあるという。この炎を見ていると、寒さが続くのもあと少しで、やがて春がやって来るという実感がどんどん増してくる。

それにしてもこのブショーの姿、見れば見るほど秋田の「なまはげ」にそっくりだし、ブルガリアなど近隣諸国にも同じようなお祭りがあるとのこと。その意味合いは多少違うとしても、さすがに共通点を感じざるをえない。距離的にはこんなに離れているハンガリーと日本、歴史をひも解いていけば意外に多くの共通起源があるのではないと、気になって仕方ない毎日を過ごしている。

motomiyajun

writer:本宮じゅん

2016年7月末にハンガリーのブダペストに移住したばかりの新米ライター。大学在学中に1年間ドイツのライプツィヒ大学に交換留学し、卒業後は外資系化粧品メーカー・広告代理店・外食産業と、業界が違いながらも通算14年近くマーケティング業務に携わった後、ハンガリーのブダペストへ。趣味は料理、街歩き、街歩きのついでに飲むビール。

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キュルテーシュカラーチのある生活

2018.1.17
writer: 本宮じゅん

ブダペストの地下鉄の出口を出ると、どこからともなく漂ってくる甘く香ばしい匂いに気づくことがある。それは生地が焼き上がる匂いとバニラやシナモンが絶妙に混ざった匂い。少し嗅いだだけでなんだか幸せな気分になれる、不思議な匂い。匂いの元をたどるとほとんどの場合長い行列があって、その先には「キュルテーシュカラーチ(kürtőskalács)」という焼き菓子のスタンドがある。特に冬の時期には、焼き立てを求めて行列がますます長くなる。

キュルテーシュカラーチとは

お祭りのキュルテーシュカラーチの屋台
お祭りのキュルテーシュカラーチの屋台

キュルテーシュカラーチを売る店は街中だけでなく、クリスマスマーケットはもちろん、お祭りの際の定番屋台でもある。私が初めてこの焼き菓子と出会ったのもお祭りの屋台だった。屋台では焼き上げる様子を見ることもできる。長い円柱状の棒に生地をくるくると巻きつけて、砂糖をまぶし、炭火の直火グリルの上でくるくると回しながら焼く。こんがりと焼き上がったら棒を外して砂糖とトッピングをまぶしてもらう。トッピングはシナモンやバニラ、クルミ、ココア、ココナッツなどが中心。それらを好みで混ぜて注文する人もいる。

シナモンのキュルテーシュカラーチ
シナモンのキュルテーシュカラーチ

アツアツの焼き立てを受け取ったら、くるくると生地の巻き目をとくようにちぎりながらいただく。外側の生地はパリッとしているが、内側の生地はふんわりで、その食感もやみつきになりそうだ。街中のスタンドで売られているような小ぶりのサイズのものは、ちょっと小腹が空いた時にもちょうど良い。そしてご覧の通り中は空洞なので、意外にペロリと食べ切れてしまう。ただし、お祭りではだいたい長さ約三十五センチメートルもの大きさで売られているので、そちらは一人よりも何人かでシェアした方が良いだろう。

キュルテーシュカラーチのお祭り

キュルテーシュカラーチ・フェスティヴァール
キュルテーシュカラーチ・フェスティヴァール

お祭りの屋台の定番でもあるキュルテーシュカラーチだが、キュルテーシュカラーチに特化したお祭りもブダペストで毎年十月に開催されている。市民公園の敷地に二十を超える屋台がずらりと並び、特に日曜日はどの屋台も大行列となる。一度訪れてみたところ、なんと一本買うのに二時間半も並んだ。行列の中には人数以上に買うお客さんも多く、焼き上がりが追いつかないようだった。私の前に並んでいた男性は、一人で八本注文していた。きっと家族の分も買ったのだろう。予想通り、焼き上がった頃に小さな子どもたちを連れた女性と老夫婦がやってきた。大きな一本を手にした子どもの笑顔を見て、とてもほっこりした。

ルーツはかつてのハンガリー領

ブダペスト西駅近くのスタンド
ブダペスト西駅近くのスタンド

この焼き菓子、実はハンガリーのみならずチェコやスロヴァキア、ルーマニアなど、周辺諸国にも広く親しまれている。元々はかつてハンガリー領でもあった、現在のルーマニアのトランシルヴァニア地方にルーツがあると言われている。「キュルテー」とはハンガリー語で「煙突」を意味しており(確かに煙突のような形をしている)、英語では直訳で「チムニーケーキ(chimney cake)」と呼ばれている。最近では、ドライラズベリーをまぶしたものや中の空洞にソフトクリームを入れたものも見かけるようになった。

ちなみに、ハンガリー語の原語の発音では「キュルテーシュカラーチ」という表記の方が近いのだが、日本では既に一部で「クルトシュカラーチ」という表記で知られているようだ。そろそろ日本でもブームが来るかも知れない。

motomiyajun

writer:本宮じゅん

2016年7月末にハンガリーのブダペストに移住したばかりの新米ライター。大学在学中に1年間ドイツのライプツィヒ大学に交換留学し、卒業後は外資系化粧品メーカー・広告代理店・外食産業と、業界が違いながらも通算14年近くマーケティング業務に携わった後、ハンガリーのブダペストへ。趣味は料理、街歩き、街歩きのついでに飲むビール。

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クリスマスマーケットのある生活 ― 2017年

2017.12.13
writer: 本宮じゅん

今年もブダペストはクリスマスマーケットの季節となった。11月10日に中心部のヴェレシュマルティ広場(Vörösmarty tér)で始まったのを皮切りに、12月に入る頃には市内の数カ所で見かけるようになった。日に日に寒くなり、日照時間もますます短くなっていくこの時期、クリスマスマーケットに足を運ぶのが、毎日の楽しみのひとつでもある。

観光客にも大人気のヴェレシュマルティ広場

ヴェレシュマルティ広場のクリスマスマーケット
ヴェレシュマルティ広場のクリスマスマーケット

クリスマスマーケットは、ハンガリー語では「カラーチョニ・ヴァーシャール(karácsonyi vásár)」という。ブダペスト市内で開催されている中でも最大規模を誇るのが、ヴェレシュマルティ広場。雑貨や食料品の屋台が並ぶ様子や、広場の中央にフードコートのテラスが設置されている様子、夜になると美しいイルミネーションが輝く様子など、去年とほとんど変わらないように見える。それでもホットワインのカップを片手に、それぞれの屋台を見て歩いて回るだけで楽しい。

「ジェルボー」の外壁に注目

老舗カフェ兼レストラン「ジェルボー」
老舗カフェ兼レストラン「ジェルボー」

ヴェレシュマルティ広場のシンボル的存在でもあり、かつてはハプスブルク皇妃エリーザベトも足繁く訪れたという、老舗カフェ兼レストラン「ジェルボー(Gerbeaud)」。この荘厳な建物の外壁に映し出されるプロジェクションマッピングも見逃せない。去年はどんなものだったのか全然憶えていなかったので、今年は新鮮な気分で鑑賞することができた。そして、しばらくして各国語のクリスマスの挨拶の言葉も映し出されていることに気づいた。「メリークリスマス」、日本語のその文字もちゃんと見えてなんだかホッとした。

市内中心部以外でも開催

ウーイペシュト地区のクリスマスマーケット
ウーイペシュト地区のクリスマスマーケット

ところでハンガリー人の友人と話していたところ、彼女はヴェレシュマルティ広場など中心部のクリスマスマーケットはあまり好きではないようだ。理由は明確。だいたい観光客、それも外国人観光客で混雑しているし、全体的に価格帯も高め。確かに屋台のスタッフも英語で応対してくれるし、メニューも英語が併記されているので、外国人にとってはありがたい。ただ、彼女が勧めてくれた"観光客がほとんど訪れない"クリスマスマーケットもすごく気になって、ブダペスト市内北部のウーイペシュト(Újpest)地区に足を運んでみた。

時期が早すぎたのかまだ開店していない屋台も多かったが、大きなツリーの隣にはスケートリンクが設置されていて、地元の人とおぼしき人々で賑わっていた。素朴な雰囲気に包まれて、心が温まった。

聖イシュトヴァーン大聖堂では

聖イシュトヴァーン大聖堂のクリスマスマーケット
聖イシュトヴァーン大聖堂のクリスマスマーケット

スケートリンクといえば、今年も聖イシュトヴァーン大聖堂の前の広場には、大きな赤いクリスマスツリーとともにスケートリンク(※十四歳以下のみ対象)が設置されていた。大聖堂の正面壁面にプロジェクションマッピングが映し出されるのも去年と同様。スタートまでのカウントダウンが表示されるので、残り三十秒を切る頃には思わずベストポジションを探してしまう。

私の中でもすっかり恒例行事となったクリスマスマーケット。去年との共通点に気付きながら、新しい発見もある。そして、まだハンガリー生活になかなか慣れていなかった一年前のことを振り返ってみたりする。また来年も再来年も、この街で過ごせますように。

ブダペスト・カラーチョニ・ヴァーシャール 公式ホームページ(英語)

motomiyajun

writer:本宮じゅん

2016年7月末にハンガリーのブダペストに移住したばかりの新米ライター。大学在学中に1年間ドイツのライプツィヒ大学に交換留学し、卒業後は外資系化粧品メーカー・広告代理店・外食産業と、業界が違いながらも通算14年近くマーケティング業務に携わった後、ハンガリーのブダペストへ。趣味は料理、街歩き、街歩きのついでに飲むビール。

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キャベツのある生活

2017.11.15
writer: 本宮じゅん

ハンガリーの首都ブダペストの近郊、ちょうどリスト・フェレンツ国際空港の近くに、ヴェチェーシュ(Vecsés)という町がある。この町はキャベツの名産地として知られていて、ブダペストの市場やスーパーでも、ヴェチェーシュ産のキャベツをよく目にする。ハンガリー語で「キャベツ」は「カーポスタ(káposzta)」。毎年九月中旬には、ヴェチェーシュで「カーポスタフェスト(Káposztafeszt)」というキャベツの収穫祭が開催される。ハンガリーでの生活を始めてまだ一年と数ヶ月の私にとっても、既に毎年楽しみなイベントになっている。

キャベツの収穫祭「カーポスタフェスト」

キャベツ農家のトラクター
キャベツ農家のトラクター

お祭りの目玉のひとつが、日曜日のお昼に始まるパレード。キャベツ農家や保育園など、さまざまなトラクターが順々に会場内を行進する。いずれもトラクターと荷台にキャベツをモチーフにしたデコレーションが施されていて、それを見ているだけでも飽きない。とあるキャベツ農家のトラクターの荷台には、収穫されたキャベツがうず高く積まれていて、そのてっぺんにはどこか誇らしげな顔をしたキャベツがどっしりと構えていた。また、保育園のトラクターの荷台にはまだ幼い子どもたちが乗っていて、頭に本物のキャベツの葉やそれを模した緑の帽子を被っていた。その可愛らしい様子がとても微笑ましかった。

キャベツの豚さんも登場
キャベツの豚さんも登場

キャベツ料理といえば

お祭りの屋台のディスプレイ
お祭りの屋台のディスプレイ

ハンガリーのキャベツは、日本のものと比べてとても固い。あまりに固く葉っぱもぎっしりしているので、私はまだ生で食べたことがない。実際こちらのキャベツ料理では、発酵させたり煮込んだりして柔らかくしているものを使う。お祭りの屋台でも、千切りにしたキャベツを乳酸菌で発酵させた「シャヴァニュー・カーポスタ(savanyú káposzta)」などが売られていた。それをパプリカのピクルスの中に詰めるというワークショップが開催されていて、私も張り切って参加してきた。

パプリカのキャベツ詰め体験
パプリカのキャベツ詰め体験

お店で売られているものは、白いパプリカのピクルスに黒胡椒で目を、赤パプリカで口をかたどって、スマイルフェイスに見立てられている。プラスチックのケース越しにこちらに微笑みかけている顔の一つひとつが、みんな違う表情をしているのが面白い。

シャヴァニュー・カーポスタは酸味が強くて、初めて食べた時は口の中に広がる刺激にびっくりしたものだった。ただ食べ続けているうちにだんだんその味わいがクセになってきて、今ではすっかり肉料理の付け合わせに欠かせない存在となっている。

一番大好きなハンガリー料理

ロールキャベツ料理「テルテット・カーポスタ」
ロールキャベツ料理「テルテット・カーポスタ」

伝統的なハンガリー料理の一つに、「テルテット・カーポスタ(töltött káposzta)」というロールキャベツ料理がある。キャベツの葉に挽き肉やお米などを詰めて巻き、シャヴァニュー・カーポスタとパプリカ粉、ベーコンの脂身、サワークリームなどと一緒に煮込む。柔らかくなったキャベツの食感と酸味と挽き肉の旨みの組み合わせが絶妙で、私が一番大好きなハンガリー料理でもある。レストランのメニューで見つけたら必ずといってもいいほど注文しているくらいだ。

お祭りの屋台にもよく登場しており、気軽に食べることができる。そういえば、もうすぐブダペストはクリスマスマーケットの季節。今から楽しみで仕方がない。

お祭りの屋台の「テルテット・カーポスタ」
お祭りの屋台の「テルテット・カーポスタ」
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writer:本宮じゅん

2016年7月末にハンガリーのブダペストに移住したばかりの新米ライター。大学在学中に1年間ドイツのライプツィヒ大学に交換留学し、卒業後は外資系化粧品メーカー・広告代理店・外食産業と、業界が違いながらも通算14年近くマーケティング業務に携わった後、ハンガリーのブダペストへ。趣味は料理、街歩き、街歩きのついでに飲むビール。

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アイスクリームのある生活

2017.09.20
writer:本宮じゅん

ドイツに留学していた頃も驚いたものだったのだけど、ここハンガリーでも夏になると街中にアイスクリームの屋台が次々と増える。ふと行列ができているのを目にすると、だいたいその先にはアイスクリーム屋さんだったりする。何より驚きなのが、老若男女問わずその列に並んでいることだ。小さな子供はもちろん、お年を召した男性や女性も大きなアイスクリームが乗ったコーンを片手に食べながら街を歩いている。まるで全世代と性別共通の、夏必須のファッションアイテムみたいだ。

Ristrante Colosseum Budapestのアイスクリーム
Ristrante Colosseum Budapestのアイスクリーム

美味しいハンガリー料理のせいにはしたくないのだけど、ハンガリーに来てからすっかり体重が増えてしまったので、本気でダイエットに励んでいたはずの私も、すっかり誘惑に負けてしまい、街中で屋台を見かけるたびにアイスクリームを買って食べるようになった。

特にお気に入りなのが、語学学校の建物の地上階にあるカフェのアイスクリーム。二十種類くらいあるうえに、一スクープあたりの大きさがとても大きい。夏が始まりかけた頃は一スクープ300フォリント(約129円)だったのが、なぜか八月の半ばには250フォリント(約108円)に値下げしていた。どうせ飛ぶように売れるのだから、値下げしても影響ないのかもね。

このお店で注文するのは、いつもレモンチェッロ味か写真のミント味。甘すぎず後味もさっぱりなのが嬉しい。甘すぎない分カロリーも控えめだともっと嬉しいのだけど。

Nándori Cukrászdaのアイスクリーム
Nándori Cukrászdaのアイスクリーム

小腹が空いた時は迷わずピスタチオ味を選ぶ。ピスタチオのこってり濃厚な味をじっくり堪能しながら歩く。写真のお店は偶然通りかかって立ち寄ったのだけど、後で調べてみたらブダペストでも人気のケーキ屋さんの屋台だった。確かにさすがのクオリティの高さだった。

Levendula kezműves lagylaitのアイスクリーム
Levendula kezműves lagylaitのアイスクリーム

先日、前から気になっていたラベンダーのアイスクリームのお店にも立ち寄ってみた。ゆっくり味わいたかったのでカップで購入。見た目は普通のバニラ味に見えたが、口に含むとふわっとラベンダーの味が広がった。不思議な感覚だった。

このお店もそうだったのだけど、フレーバー名のプレートに「シュガーフリー」「グルテンフリー」「ラクトースフリー」などを表示しているお店もよく目にする。それぞれについて摂取を制限している人においても、安心して楽しめそうだ。

ガイドブックやネットの情報によると、綺麗なバラの花の形に盛り付けてくれるお店や、真っ黒な炭のアイスクリームなど変わり種が特徴的なお店など、ブダペストにはほかにも魅力的なお店が数多くあるようだ。本格的に寒くならないうちに、まだまだ開拓してみようと思う。

Ristrante Colosseum Budapest
1056 Budapest, Váci utca 63, Hungary
+36-30-565-0133
営業時間:月~日 11:00~23:00
※夏季のみアイスクリームを販売

Nándori Cukrászda
1092 Budapest, Ráday utca 53, Hungary
+36-70-9770-100
営業時間:月~土 7:30~19:00 (日曜定休)
※夏季のみアイスクリームを販売

Levendula kezműves lagylait
※ブダペストをはじめ、ハンガリー各地に約二十店舗展開。
※アイスクリームは通年販売

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writer:本宮じゅん

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バラトン湖のある生活

2017.08.09
writer:本宮じゅん

ハンガリー語には、「ニャラル(nyaral)」という「夏の休暇を過ごす」という意味の動詞がある。冬が長いヨーロッパの他の国々と同様、ハンガリーでも人々にとって夏は貴重な季節。六月の終わりともなると周りでもちらほらと夏休みを取る人が増え、八月の今はまさにシーズン真っ盛りだ。Facebookのタイムラインでも、友人たちがそれぞれの休暇先でエンジョイしている写真が次々と並んでいる。

休暇先を過ごす場所として国内で最も人気なのが、ハンガリー最大の湖である「バラトン湖(Balaton)」。七月に開催された世界水泳選手権でも一部会場になっていたので、その名を耳にしたことがある方も多いかもしれない。ブダペストから南西に130キロメートルに位置している横に長い形の湖で、長さは約78キロメートル、面積は約600平方キロメートルもある。琵琶湖より少し小さいサイズだ。

内陸国で海のないハンガリーでは、バラトン湖は「ア・マジャル・テンゲル(a magyar tenger)」、つまり「ハンガリーの海」として親しまれている。この七月、ほとりのとある町に別荘を所有している友人に招待されて、初めてその雄大な姿を見ることができた。

バラトン湖にて
バラトン湖にて

高台にあるその別荘からは、湖の反対側までくっきり見えた。時間の流れとともに空の色が変わり、空の色が変わるとともに湖面の色も変わる様子がとても美しくて、そのさまざまな表情をテラス席に座ってただ眺めているだけでも全然飽きなかった。時折、ヨットを楽しむ人々の姿も見えた。流れは穏やかとはいえ、湖でなくて本当に海のように見えた。

夕暮れ時のバラトン湖
夕暮れ時のバラトン湖

友人たちは一週間ここに滞在し、途中湖や近くの町まで出かけたり、庭でバーベキューをしたり、テラスで読書をしたりと、日常のことを忘れてとにかくゆっくり過ごすとのことだった。もし一週間休暇が取れたら、私だったら飛行機に乗って外国に行って一泊か二泊ごとに別の街を訪れて、という慌ただしい過ごし方しか頭に浮かばないのだが、彼らからしてみたら、一箇所に落ち着いてのんびり過ごすというスタイルがスタンダードのようだ。ちなみに一週間というのは短い方のようで、二週間、三週間と休暇を取る人もいるらしい。

バラトン湖周辺のグルメガイド
バラトン湖周辺のグルメガイド

翌日の夕方に用事が入ってしまったので、結局一泊しかできなかったのだが、友人たちのおかげで私自身もすっかりリフレッシュしてブダペストに戻った。戻って早々、たまたまハンガリー語の料理雑誌を買ったところ、なんとバラトン湖周辺都市のグルメガイドがおまけに付いてきた。中でも厳選の360店を紹介している。パラパラとめくっていたところ、一軒家で雰囲気の良いレストランがいくつか目に入った。また、バラトン湖周辺にはワイン産地もあり、特に白ワインが名産だ。友人の別荘でも冷えた辛口の白ワインをいただいたのだが、上質な味わいがとても美味しかった。秋になったら、ワインがオススメのレストランにもぜひ訪れてみたい。

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writer:本宮じゅん

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